55. ページ5
.
真っ暗な外から建物の中に入り
エレベーターを使い地下7階に戻る。
Aは部屋に入れられ
僕は部屋には入らずそのまま奥のお風呂場へ。
決められた時間内にお風呂場を済ませ、職員さんと共に部屋に戻る。
入れ替わるようにAがお風呂へ連れて行かれ
少しして、戻ってきた。
ソファに2人、ギュウギュウ詰めのこの距離が
なんとも、心地よい。
「Aはさ、少し前まで外におったやろ？せやから、空も風も、何もかも知っとるやん。それなのに全部が初めての僕と一緒に、何でも笑って教えてくれるやんな。…ありがとうな。」
『ともくん…？どうしたの？』
「いや、ふと思ったんよ。Aは僕に合わせてくれとるんかなって。やって、全部知っとるやろ？」
『…うん。知ってるよ？知ってるけどね、…ともくんと一緒に見る景色は、違って見えるの。』
「違って…？」
『なんかね、説明が難しいんだけど、ともくんと一緒に見たり聴いたり感じたりするのは、今までのとは訳が違うっていうか…ともくんとだから、当たり前にそこにあったものが、とっても素敵に感じるんだ…』
「…そう、なんや……」
近い距離で目が合う。
鼓動が、音を立てる。
僕よりも低い位置で
その黒く吸い込まれそうな瞳が伏し目がちにこちらを覗く。
なんだか、とても、恥ずかしくてむず痒い。
それなのに、どうしても逸らしたくない程、この時間が続いて欲しかった。
キミの全てを知り尽くしてしまいたい。
そっと触れた黒い髪は
まだ少し湿っている。
彼女は驚いていたけれど
嫌がりはしなかった。
「A…僕、さぁ……」
『…ん？』
「……いや、なんでもない。」
『何それ、笑』
この気持ちに名前があるとするならば
それは"好き"なのかもしれない。
愛しくて、大好きで、僕だけを見ていて欲しくて
僕のそばに、ずっと、ずっと、いて欲しくて。
もしキミが僕の事を好いているならば
あぁ、なんて素敵な事なんだろう。
この気持ち、素直に伝えるべきなのか
それとも黙っておくべきなのか。
僕には小説のような駆け引きはできそうにもないよ。
キミへの想いが募っていく毎日の中、
心の奥底でじんわりと広がりつつあった黒い影が
必死に無視して隠し続けていた、影が
ある日突然、顔を出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#TODAY(プロフ) - キャラメルさん» 初めまして！！読んでくださってありがとうございました！他には無い話を書きたくてだいぶファンタジックになってしまいましたが、難しくは無かったでしょうか…(汗)Shadowsを聴いた時はこのお話を思い出して下さったら幸いです。他の作品も頑張ります！！ (2021年12月31日 21時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - #TODAYさん初めまして！この作品の世界観にぐっと引き込まれてしまい、思わず感想を伝えたくてコメントさせて頂きました！！！最後の方は読みながら本当に泣きそうになりました！他の作品も読ませていただきます！最高の作品に出会えたことに感謝します！ (2021年12月31日 13時) (レス) @page35 id: 826f2c597b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：#TODAY | 作成日時：2021年9月15日 16時
