75. ページ25
.
その扉は、背の高い草に隠れていて
すぐには見つけられへん場所にあった。
草を掻き分け、近付く。
鍵も掛かっていない扉は
少し錆びていて、人が使っている様ではなかった。
取っ手を下向きに押し、ストッパーを外す。
そう、外そうとした。
せやけど、人が使っていないからか
これがなかなか動かん。
すぐ目の前は"外"なのに。
この扉が開けば、僕はもう自由なのに。
力がない僕は、その扉を開けることが出来ひん。
「…ん〜っ、…はぁっ、はあっ………んんっ！！」
どれだけ力を入れても、ビクともせえへん。
どうしようか。
木に登って、格子の上から外に出る…？
いや、それは無理や。
僕の体力と力で、あんなに高いところまで登れる訳が無い。
なら、頑張って格子の間からでるか？
それも無理や。
残念やけど僕はこんなに細くない。
ならどうする。
このまま終わりでええんか？
ここまで来て、あの建物の中に戻れるんか？
戻ったらどうなる。
怒られる所で済むわけない。
あかん、どうしよう。
ホンマに、僕は無力や。
なぁ、A…
はよ会いたいなぁ…
せやけど、どうすればええのか、
僕には分からんねん…
"絶望"が見え隠れする中、
もう一度取っ手に手を付け
全体重をかけた時やった。
「ゲームオーバー。」
「…っ、！？」
真後ろから人の声がして、
心臓が一気に冷たくなった。
「……はっ、はまっ、、」
「お。俺の名前覚えてくれたん？せやで。�霤弔任后�」
「………」
なんで、ここが分かったん？
そう思ったのも束の間。
元々この逃げ道は淳太さんと照史さんと、�霤弔気鵑�計画していた道。
知っていて、当たり前や。
淳太さんと照史さんは、協力してくれた。
なら�霤弔気鵑蓮帖�
目の前で笑っている彼が
とても
とても怖く感じる。
「智洋〜…こんな所で何しとるん？皆んな智洋の事探しとったでー。」
「………」
「ハハッ、笑 無視は良くないなぁ。」
「どっち、…」
「どっち、って…？」
「敵か、味方か、…どっちなんですか。」
「………せやなぁ、…敵でも味方でもないかな。俺は俺や。」
分からん。
この人の考えとる事が、分からん。
隙を見て逃げるべきか。
だとして、逃げられるのか。
あかん、どうしようもなく
目の前に広がるのは、絶望や。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
#TODAY(プロフ) - キャラメルさん» 初めまして！！読んでくださってありがとうございました！他には無い話を書きたくてだいぶファンタジックになってしまいましたが、難しくは無かったでしょうか…(汗)Shadowsを聴いた時はこのお話を思い出して下さったら幸いです。他の作品も頑張ります！！ (2021年12月31日 21時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - #TODAYさん初めまして！この作品の世界観にぐっと引き込まれてしまい、思わず感想を伝えたくてコメントさせて頂きました！！！最後の方は読みながら本当に泣きそうになりました！他の作品も読ませていただきます！最高の作品に出会えたことに感謝します！ (2021年12月31日 13時) (レス) @page35 id: 826f2c597b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：#TODAY | 作成日時：2021年9月15日 16時
