｢助けて｣なんて虫が良すぎる。《青》〈1〉 (ページ4)

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「流星〜、お茶とって。」

「…ん。」

「うわ、ちょ、投げんなや…」

藤井はジャニーズWEST全員での仕事をするためにとあるスタジオにいた。

その楽屋にて、いつも通りの時間を過ごしていた。

…はずだった。

「…流星、さぁ…」

「…何。」

「忙しいのかもしれへんけど、もう少し抑えられへん…？」

藤井の目の前にあったペットボトルを取って欲しいと神山に言われた彼は

普通に取り、そのまま軽く投げて渡したつもりだった。

だが、神山はそれに怪訝そうな顔をした。

「抑えるって、何を。」

「その苛立ち。疲れてんのは分かるし、無理に明るく居ろとは言わへんよ。でも、みんな気ぃ使って、」

「別に苛立ってへんけど。」

「いや苛立ってるやん。言葉もきついし、最近よく物投げるし。人に当たるのはもちろん良くないけどさ、物に当たるのも、」

「…るさっ、」

「は？」

「流星、その言い方は、」

「うっさいなぁ！！！」

「痛っ、」

どうして。

なんで。

理由が分かっていたら、こんなことにはならへんのにな。

彼はテーブルに並べてあるペットボトルを力任せに、目の前の神山に向けて投げつけ

そのまま楽屋を飛び出した。

それに伴い藤井がいた時よりもさらに静まり返る楽屋。

大きな音を立てて閉められた扉の音が耳に残る。

そんな中、ポツリと零されたのは

小瀧の涙だった。

「…小瀧……大丈夫か、？」

「ん、だい、じょうぶ…笑」

「…怖かったなぁ。」

「濵ちゃん…」

「流星も疲れててちょっと周り見えてへんだけやねん。神ちゃんも、許したって…？」

「…うん。」

「俺、様子見てくるわ。」

「あぁしげ、ありがとな。」

7人でジャニーズWEST。

それは7人全員が分かっている。

だからこそ、メンバーの事はメンバーが1番理解していたい。

そう、思うのは

藤井流星も同じだった。