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イライはそんな私に１枚の招待状を握らせた。
無咎がそれを視界に入れ、不愉快そうな声を漏らす。
「お前がこっちで白黒無常に会ってると知ったアイツが、部屋の鏡を割った。修復は現状、不可能だ」
「おい、傭兵。この招待状は何だ」
「それは蝋封は荘園の主のものだろう」と無咎は続ける。
ぎこちない動作で視線だけを下げる。視界に映った蝋封は確かに荘園のマークがついていた。
以前、ナワーブに貰った封筒と一緒だ。
「鏡の件に関して、荘園の主にクラークが話をしに行った」
「荘園の主からAさんへとお預かりしました。私からもキャンベルさんを止められなかったと謝っておきますね」
妙に冷めた様子でそう言うと、イライは無咎の方を見た。
「A、封筒を開けろ」
私は無咎に促され、おずおずと蝋に指をかけた。ナワーブが少し前のめりになる。
イライはきっと、封筒の中身が分かっているのだろう。他人の古傷をえぐるのが好きな荘園の主のシナリオは、私にも少しくらい読める。きっとイライも同じ予測を立てているだろう。
べり、と乾いた音がする。
少し黄ばんだ色の丈夫なカードが中から滑り出てきて、私はそれをみんなに見えるようにひっくり返した。
A
職業 学生
役職 放浪者
A様を荘園のメンバーとして招待いたします。
しかし、貴女様にはゲームに参加する資格を現時点ではお与えすることが出来ません。
よって貴女様に対し”アウトサイド”という肩書をお与えします。
エウリュディケ荘園
イライと私は頷き、私はカードを封筒の中に直した。
「……つまりAは、これから荘園で暮らしていくということか」
「しかもサバイバーでもハンターでもない。そしてゲームにも参加しねぇ……と」
私は封筒を茶封筒の中に入れ、イライを見上げた。
「……分かりました。イライさん、私が荘園にいる間に主が帰り方をどうにかしてくださるってことですよね」
「そうです」
「そこは理解できました。まだ、納得は出来ていませんが……」
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トバリ - 蜜月さん» お楽しみいただけたようで、何よりでした。ご縁があれば、また。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: e428776eb9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜月(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新を毎回楽しみにしていた身としては寂しいような嬉しいような気持ちで一杯です笑 作者様の書くノートン君が好きでした。次回作も楽しみにしてます。お疲れ様でした！ (2020年11月6日 23時) (レス) id: 20a9fa7637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年10月10日 18時
