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血の女王と泣き虫はニコニコと笑みを浮かべ、私を取り囲むように近づいた。私は居心地が悪く、救いを求めるように必安を見た。
必安も同じような笑みを浮かべ、何も分からないと言った風に首を傾げる。
私は恨めし気に彼を睨むと、あきらめて血の女王と泣き虫からの質問攻めに一つ一つ答えていった。
「Aちゃん、おかし好き？」
「はい、好きですよ。ドーナッツとかチョコレートとか」
「あら、甘いものが好きなのね。私も茶会は好きよ？よく美智子やサバイバーを誘って催すの。一緒にいかが？」
「マリーさま、僕は？！僕も一緒にお茶会したい！」
泣き虫がそう言って飛び跳ねると、血の女王は彼の頭を躊躇なくぺしゃりと潰した。
「だめよ。茶会は女だけのパーティーなの」
「ずるいー」
潰れた黄色の麻袋から、くぐもった声がした。
泣き虫がパンパンと袋を引っ張ると、頭はすぐに元のように戻る。
私はなんだか可笑しくって、勿論グロテスクな光景だったのだが、笑い出してしまった。
それを見ていた血の女王は弾けるように、それでいて上品な笑みを浮かべた。
「ステキな笑顔ね、A。いいわ。もっと笑いなさい。見ていて気分が良いもの」
「ほんとだー。Aちゃん、可愛い！」
……いや、お前らが可愛い。
マリーさまもロビー君も可愛すぎん！？！？！？！？！？全宇宙がひっくり返るくらいの可愛さなんですけど。犯罪級では！？！？！？！？！？
可愛い、可愛いと言ってくる二人が可愛くて呼吸困難に陥る。
「……Aさん」
そうやって三人ではしゃいでいると、必安が肩をそっと叩いてきた。
振り返れば少し困ったように、真剣な表情をしていた。
「どうかしましたか？」
「ハンター館の正面玄関に占い師が来ているんです。貴女に話したいことがあるそうで、どうしますか？」
後ろで話を聞いていた血の女王が頬を膨らませた。
「探鉱者の件かしら。しつこい男は嫌いだわ」
「ノートンさんはしつこいんじゃなくて……何というんでしょうね」
私はノートンを擁護するように、しかたなく口を開いた。
泣き虫がのんきな声をあげる。
「僕、難しいこと分かんないけど磁石はいたいなー」
必安は「そうですね」と泣き虫に相槌を打った。
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トバリ - 蜜月さん» お楽しみいただけたようで、何よりでした。ご縁があれば、また。 (2020年11月9日 21時) (
レス) id: e428776eb9 (このIDを非表示/違反報告)
蜜月(プロフ) - 完結おめでとうございます！更新を毎回楽しみにしていた身としては寂しいような嬉しいような気持ちで一杯です笑 作者様の書くノートン君が好きでした。次回作も楽しみにしてます。お疲れ様でした！ (2020年11月6日 23時) (レス) id: 20a9fa7637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年10月10日 18時
