The Last Rose (ページ2)

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いきなり現れたAにみんな硬直する。

雰囲気の変わらない姿、あのときよりも少し長くなった髪、口では言い表せないほど

全部、全部…懐かしかった。

岸「A……お前、」

岸を見ると申し訳なさそうに微笑む。
隣のサラは言葉を失ってただただ目を見開いていた。

「たまたま俺の会社の加盟店にAがおってさ。
連絡先交換したタイミングで同窓会の連絡入ったから誘ってみてん」

ほんまに来た！
とおどけた口調で話したからその場の雰囲気は一気に和やかになる。

「中入れよー！」ってあの頃のノリでみんながAを歓迎して、また本来の同窓会に戻った。

状況についていけてへんのは俺だけ。
今すぐに逃げ出してしまいたい。

それからAは質問攻めにあって

今までどうしてたん？
あれからどこに行ったん？
どこに就職したん？

って色々聞かれとって。

岸はAにずっと「おかえり」って頭を撫でてて、Aはそれに「ただいま」って返して。

サラなんてずっと号泣してた。
それを見てAもポロポロ涙を零したり。

岸もサラもあえて俺の話題を出さない。

ていうより、Aは俺がいるということに気づいてないと思う。

そっちの方が好都合や。今更どんな顔をして会えばいいのかなんてわからへん。

…あんだけ、酷いことしてんから。

飲もう飲もう、飲んだら忘れる。

「あ！なあA、彼氏は？」

ブーッッ

その唐突な質問に口に含んだビールを吐き出してしまって。

なに？廉きたないとザワザワ騒ぎ、俺がいることを象徴させた

その騒ぎに気づいたAがチラッとこっちを見る。
その瞬間バチっと目があって、Aはまた、泣きそうな顔をした。

ああ、やっぱり。
俺は一生消すことのできない過ちを犯した。

俺を見るAの表情を見た岸も、サラも。
きっと悟ったんやろう。
もう俺達は元に戻ることなんてできひんって。

A「そのうち、わかるよ」

えーなにその答え！彼氏おるん？！

って騒ぎ出すけど、そんな雰囲気じゃなかった。

岸も、サラも、俺も、Aも。

みんながみんな俯いたAを各々の感情で見つめた。

とてつもなく、あの頃に戻りたくなった。

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