あの歌い手の妹は。III【歌い手】

3話。 ページ6

講義のある教室に潜り込み、会いている席を探す。
んー。どこ行こう。


くるり。と辺りを見回すと前列の席が空いていたため
そこにストンと腰掛ける。


講義まで時間があり暇なため予習していると


ドスッ


隣に誰かが腰掛けた。
周りにも空席があるのにわざわざ誰だろう。と隣を見ると
朔君がいた。


朔君とは最近仲良くなった同じサークルの同級生。
先輩にもカッコイイと人気のある1人だ。


「おはよ！」

「おはよ」


元気のいい朔君に対しいつものように返す私。
それからしばらくすると先生が入って来て講義が始まった。


_____


講義が終わり、次の場所に移動しようとした時朔君に呼び止められた。
"週末どこか行かない？"と。


その日は翔太とのお出かけが入っているため
やんわりとその誘いを交わした。


ちょうど教室を出たところで


「お！A〜次どこ？」


翔太に遭遇した。
確認すると珍しく同じで一緒にその場所に向かう。


ゆっくりと歩きながらする他愛もない会話は尽きることがなく
とても暖かい空間。


「あ、今日の夜放送しない？」


なんて誘われた時も


「しよっか」


とか乗って見る。
気づくとほおも緩んでいて


当たり前のように教室では隣に腰掛ける。
面白がってシャーペンを交換した時の事を思い出し笑う。
今でも大切に取ってある。と言うと僕も。なんて返ってきて。


実際に講義が始まっても時々おしゃべりしながら過ごす。
…この学校に来て良かった。


そうして半日が過ぎ、午後に授業が入っていない私は
約束していた友達と遊びに行くことにした。


待ち合わせ時刻より少し早めに着くと
彼女はすでに来ていた。


店員さんに事情を伝え席に案内してもらう。


「有紗、久しぶり」


微笑みながら席に腰掛けると


「久しぶりだね〜A！」


とにっこり微笑まれる。
私より少し大人っぽくてお姉さんなこの方は
歌い手「α(あるふぁきゅん)」として有名な「空崎 有紗(kuuzaki arisa)」


実は大学が同じでそこから知り合った。
今では週に一回会う程度には仲良くなっている。


そんな有紗は同じように彼氏がいる。
まぁ、、めちゃくちゃイケメンなんだけども。


歌い手などをやっているわけではないが
有紗の活動を受け入れて応援してくれているらしい。


あの有紗がベタ惚れなんだから相当なんだろう。
写真見せてもらっただけで会ったことはないけどね。

またまた！お知らせー！→←2話。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す