雰囲気 ページ7
玲於くんとはマンションの近くで分かれて、二人で歩いて帰ってた。
手を繋いで、深夜の街を歩く。
「あー、久々に酔った」
『酔ってたね。今は大丈夫なの？』
「うん、だいぶ楽なった」
結婚後初の大きい飲み会ってのもあって、緊張してたんだろうな。
そう思いながら話を聞いてると、マンションに着いた。
「ただいま」
『ただいま〜』
玄関の鍵を閉めた途端、剛典が盛ってきた。
靴を脱ぐ前に抱き締められて、キスされて、首筋を撫でられて。
「ごめんA」
『ん？』
「良い…？」
『ふふっ、お部屋でね』
額を合わせながら誘う彼。
その誘いに乗る私。
私達はそのままベッドに倒れ込む。
「はぁ、ごめん……今日優しくできない気がする」
『何？嫉妬？』
「それもあるけどさ、Aが好きだって、実感した」
訳が分からぬまま服を脱がされ、何度も何度も体を重ねてた。
終わる頃にはクタクタで、腰が抜けて、下半身の感覚が無い。
「気持ちかった？」
『っ、うっさい』
「急に冷たくなるじゃん」
そう言って笑ってる彼。
酔っ払いってなんだろうか、って思うほど、激しかった今夜。
彼は口に水を含むと、口移しで水を飲ませてくれた。
かと思えば、舌を絡められてまたそういう雰囲気になる。
「もっかい……」
『それでホントに終わる？』
「わかんない」
そう言って笑う彼は、私の足を掴んで首筋にキスをした。
仕事柄キスマークは付けられない。
だけど、脱ぐ予定も無い時に、彼は隠れる場所に痕を残す。
「ははっ、ねぇA、」
『ん？』
「……いい？」
果たしてそれを聞く意味とは？
と思いながらも頷いた私も同罪だ。
その日、お互いが遅い時間からの現場入りで良かったと、何度思ったことか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
