お迎え ページ44
子供を産んだ産婦人科に着いて、暫く経つと。
奥の方から助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれた。
岩田「A、来たよ」
『ん……』
助産師「やっとパパとママと一緒におうち帰れるからね」
助産師さんは優しい声で赤ちゃんに言うと、私の腕に優しく乗せた。
約一ヶ月ぶりに抱えた赤ちゃんは、しっかり重くなってて。
『っ……』
岩田「A、泣かないで」
私は子供の成長と無事を感じて、思わず泣き出した。
のにも関わらず、剛典や助産師さんは変わらず優しく微笑んでた。
助産師「今は2400ちょっとまで上がってるよ。
しっかり自分で呼吸もできてるから安心して」
岩田「ありがとうございます」
助産師「いいえ」
私は涙を拭うと、剛典の腕に子供を乗せた。
父親にも、子供を抱える権利はあるし、これからの為にも。
岩田「本当に大きくなってる……」
『子供の成長ってあっという間だからね』
そんなこんなで私達は、剛典の運転する車で我が家に帰ってきた。
初めての場所で少しビックリしてるかもしれないけれど。
『おかえり、
岩田「おかえり」
まだ喋れない響輝。
けれど、少し声を上げて反応してくれた。
その様子に私達は微笑むと、ゆっくりと寝室のベッドに寝かせた。
すると、自由に手足を動かしてて、でも泣きはしなかった。
その事に安心した私は、剛典の手を握って見守る。
岩田「楽しみだね、これからの成長が」
『ん』
剛典も手を繋いでない手で私の背中を摩ってくれる。
その温もりを感じながら、泣かないで動き回る響輝を見守った。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
