修羅場 ページ5
合同ライブメンバーとスタッフの何人かで飲み会が行われた。
私は剛典と一緒に行こうってなって。
「あっ、岩田さん岩田さん！ここ空いてますよ〜！」
岩田「いや俺らどっちも岩田」
『私まだ坂本言われてるから、多分剛典のことだね』
岩田「俺既婚者なんだけど」
『狙われてるね』
岩田「A〜〜」
『ふふっ、行ってきなよ！』
個室の入口に来ると、女性スタッフ達に呼ばれた彼。
私が笑ってると、彼は必死に私を見てくる。
『けど、面白いこと思いついたから、大人しく三代目のとこ行ってきて』
岩田「……面白いこと？」
私は彼から離れて、女性スタッフ達のとこにやって来た。
あからさまにお前じゃないって顔されたけど、気にしない。
『どうも、岩田です』
ス「……岩さんは？」
『岩さんはほら、三代目ですし、男性ですし、既婚者ですし？
そこはソロで、同性の私がここに来た方が筋は通るでしょう？』
私はこういう修羅場が大好きだ。
普通に相手の反応を見るのは面白い。
『勝負なら受けて立ちますよ。
彼が、あなた方と私、どちらを選ぶか』
ス「自信満々ですね」
『そうですね、一応妻ですので』
ス「彼は、沢山の女性が狙ってました」
『存じ上げております』
ス「私達もその一人です」
『達、と述べますが、それはあなた方一人が選ばれて他は選ばれない。
そういう事になりますよ』
ス「そこはどうでも良い」
ス「どうやって彼を落としたんですか？」
『……それ色んな人に聞かれるんですけど、彼が落ちたんですよ。
付き合う前まで、まぁまぁアプローチされてたんで』
(岩田「まぁまぁって酷くないですか！？」)
(登坂「はいはい、静かに静かに」)
『彼も人間なんで選ぶ権利はあるんです。
それがたまたま、あなた方ではなく私だったってだけです』
ス「……」
『それに、結婚した直後にあなた方とスキャンダルが出ると、
彼、テレビに映れなくなりますけどそれでも？』
ス「私のモノになるなら」
ス「……独り占めできるなら何でも」
腹が立った私は、笑みを浮かべる。
『お話になりませんでした。
ただ岩田剛典の彼女というブランドが欲しいだけの女に、
彼はお渡しできませんね』
そう言って立ち上がった私は、彼の隣に戻った。
向こうから睨まれてるけど知らない。
岩田「あれいいの？」
『放っとけば他に目移りするって』
私は笑ってドリンクを注文した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
