我が家のルール ページ37
今じゃ、明らかに妊婦と分かるくらいお腹が大きくなった。
毎日写真を撮ってたおかげで余計にそう思う。
妊娠七ヶ月、あともう少しで子供に会える。
岩田「大きくなったね、お腹」
『同じこと思ってた』
朝、剛典が準備してくれた朝食を食べながら思う。
朝方仕事が終わったらしい彼は寝てないのだが大丈夫なのか。
『寝なくて大丈夫？』
岩田「これ終わったら寝てもいい？」
『別にいいけど、仕事何時から？』
岩田「15時に起きれば間に合う」
忙しくなれば、ご飯も食べなくなり眠らなくなる彼。
最近そういうのが続いてる。
アドレナリンが効きすぎてるのだろう。
岩田「ふぅ……」
『最後に味噌汁飲んで寝たら？』
岩田「……うん」
あ、今何か言ったら彼イライラするかも。
そう思った私は、極力彼の神経を逆撫でしないのを意識した。
別に怖いとかじゃなくて、彼が後から自責の念に駆られるのは分かるからだ。
岩田「……」
『…………』
笑えないなら無理に笑わなくていい。
喋りたくなかったら無理に喋らなくていい。
それが我が家のルールだ。
岩田「……ごめん、部屋行く」
『うん、おやすみ』
岩田「おやすみ」
やっぱり全部食べるのは無理だったらしく。
彼はご馳走様でしたと、食器を下げた。
私は気にしないで、黙々と食べていた。
ここまで追い詰められてるのは初めて見た。
ドラマの撮影でバタついてるからかな、それにツアーも重なってるし。
他でも落ち着かないこととかあるんだろうなって思いながら、
私は呑気に彼が焼いてくれた鮭を食べてた。
辛かったら無理しなくていいのに、こうやって家事はやってくれる。
私は微笑みながらお味噌汁を飲んだ。
『相変わらず美味しいね』
彼の作ってくれた温かい朝食を食べ終えた私は、食器を片付ける。
シンクの洗い物を済ませると、今度は洗濯だ。
『……絶対出してないな』
私は苦笑いで、廊下に放置されてる彼の洗濯物を取り出す。
今は兎に角文句は言わないようにしようと、私は心を無にした。
『……いや普通に腹立つな』
つもりだったけど一人で勢い良く洗濯物を叩きつけた。
まぁ怒っても仕方ないので、やりますけど。
あ、たまにこんな風に、どっちもイラつくことありますよ。
人間なので、はい。
そういう時はある意味関わらないのが一番です。
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作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
