撮影にあたって ページ27
仕事終わり。
今は剛典と私達マネージャーさん四人でカフェにやって来てた。
仕事の話なんだけれど、
近々とある雑誌で夫婦の企画があって、私達にも話が来た。
一緒に撮影から、ピンで撮影と、色々あり最後は対談で終了。
という、一日かけての撮影が控えていて。
「先に一緒に撮影だってさ」
『めっちゃ凝った撮影だよね』
撮影にはスタジオ内じゃなくて、他の地域で撮影。
東京都内の夫婦もいれば、そうじゃない夫婦も居て。
書類を見ながら凄いねと話してると、
剛典のマネージャーさんが電話から戻って来た。
岩マネ「二人は都外組だね」
岩田「マジか……」
マネ「移動は？」
岩マネ「新幹線で、撮影の前日に現地入りして、
当日にあっちこっち回りながら撮影と対談し、翌日帰宅って感じ」
私も剛典もその旨を自分の書類に書き記す。
そうしてると、マネージャーさん方は頭を抱えた。
マネ「だとしたら、Aちゃんのスケジュール凄いことなるな」
岩マネ「こっちもですよ、結構彼三代目の動きあるので……」
マネ「だよね」
岩マネ「スケジュール調整出来次第二人に連絡するね」
岩田「分かりました」
『はい』
私達は了承すると、剛典のスマホが鳴った。
岩田「……すみません」
彼は急いでここを離れると、向こうで電話に出てた。
その時、マネージャーさんがコソコソと話し出す。
岩マネ「Aちゃん、最近彼どう？」
『どうって？』
岩マネ「彼、最近別の事務所の女の子に狙われてて、事務所総出で」
その言葉に私は、またかと頭を抱えた。
顔が良くて、態度も良い彼のことだから、懐かれたのだろう。
『まぁ本人がやりたいようにやるんじゃないですかね？』
マネ「そこは、Aちゃんが我慢しなくていいのよ？」
『我慢するしないってより、剛典の気持ち次第なんで』
マネ「……Aちゃん彼のこと好き？」
『勿論、だからこそ好きにしてて欲しいだけですよ。
私だけ見て、も良いですけど、好きにしてる彼を見るのも案外好きです』
ただ電話中の彼の表情は、穏やかなものでは無い。
そこがマネージャーさん二人は心配らしく。
『彼は、ああ見えて腹黒ですよ』
マネ「そうなの？」
『……表向きはいいようにしてますが、内心はそうじゃない。
彼は見られてることを知ってますからね』
私は彼から二人に顔を戻して微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2023年7月4日 0時
