家族になって【岩田剛典】 (ページ16)

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馴れ初めページ16

酒が回る頃、何人かは先に帰った。

バラバラだった私達はいつの間にか隣に座ってて。

岩田「だぁぁぁぁ」

『コブラなってるよ』

岩田「猪木さんへのリスペクトが足りねぇぞ！」

私はパーカーの袖で口を押さえて笑う。

ちゃんと応えてくれる辺り笑うしかない。

『しかもその絡み方なんだ』

岩田「酒入ってるしねぇ」

『果たして、岩田くんはお酒に強いのか否か』

岩田「至って普通です」

そうして会話をしていると、正面に座った登坂さんが、

じーっと私達を見てた。

登坂「二人の馴れ初め、聞きたいなぁ」

今市「きーきたーいなー」

岩田「嫌っすね」

先輩だろうがバッサリ切り捨てる剛典。

多分話せば私が恥ずかしいのを思い出すだけだからな。

『まぁ色々ありまして』

今市「その色々が、きーきたーいなー」

直人「そんな絡むなってお前ら！」

ここにオアシスの直己さんは居ない。

山下さんとELLYさんも居ない。

敬浩さんも居ない。

岩田「俺が頑張って口説き落としたくらいしか無いんで無理っす」

『ふふっ』

岩田「笑うなよ」

登坂「イチャつくなー！」

今市「なんて言って口説きましたか！」

岩田「ひーみーつーでーす」

酔っ払いしか居ないここにシラフの私。

かと思えば、実は彼も飲んでません。

私が飲まないって言ったら彼も飲まないって言ってくれました。

『剛典』

岩田「ん？」

『あと少しで日跨ぐよ』

岩田「解散しよっか」

『ん』

私がスマホを見せながら言うと、彼は全てを分かってくれた。

最年少だけど、案外その辺は可愛がられてるらしくて。

岩田「それじゃ、良いとこですし解散しましょうよ」

登坂「えー」

岩田「俺らはこれから夫婦の時間ですー！
明日も休みなので！」

登坂「ハイハイ解散解散」

気がつけば今市さんは潰れてて、直人さんに介護されてた。

私らはそれを見てると、登坂さんがしっしっと手をやってきた。

登坂「ここは俺らが持つから、二人は帰っちゃいな。
代わりに今度馴れ初め聞かせてな」

岩田「そっから離れないの何とかしません？」

荷物を纏めてマスクを着けた私達は、いつものように手を繋いだ。

後は二人に任せて私達は先に家路に着いた。