ミモザが咲く頃に (ページ42)

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店内に入って見渡しても

龍也くんの姿はなかった

女性の店員がいて

目が合うと

「あ、Aさんですよね？」

「あ、はい！
お仕事中すみません、七五三掛さんって…」

「ちょうど今外出中でして…すみません」

「そうですか…ありがとうございます」

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「あれ？今Aちゃんの声しなかった？」

「…え？気のせいじゃないですか？」

「え〜？おっかしいな〜？」

「……ほらここはやっておくので
奥でデザイン考えててくださいよ！」

「うん、ありがとう！助かる」

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「あれ？
あれって七五三掛くんの彼女じゃない？」

少し切羽詰まってた俺を

それじゃ良くないから、と

キヨちゃんがランチに誘ってくれた

「あー…そうだね」

同僚の宮近くんと一緒にいた

最近会えてなかったな

元気そうだけど

疲れた顔してる

大丈夫かな…

「なんだか楽しそうですね！」

「…ちょっとここ、やめようか」

声をかけようとしたけど

今は色々忙しそうだから…

やめおこう。

そうじゃない。

本音はそうじゃない。

本音は

宮近くんと楽しそうにしてる

姿を見て少しモヤっとしたからなんて。

そこのカフェはやめて、

俺たちはお店から少し遠くの

カフェに向かった

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