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「いいんじゃない?」
「んー…でももっと…
もう少し考えたら…
もっと良いのが出来るかもしれない」
よりいいものを作りたくて
日にちが迫ってきているのに
なかなか仕事が進まなくなっていた
《今日会える?》
《ごめん、仕事がなかなか終わらなくて》
最近龍也くんの連絡もそっちのけで
仕事に没頭していた
「眉間にシワ」
「っ冷た!」
パソコンとにらめっこしてたらしい
宮近くんが近づいたのもわからなかった
「根気詰めも良くないよ、休憩休憩〜」
はいっと頬に当てられた
缶コーヒーをくれた
あー良くない良くない
頭をブルブルさせても
視界に入った資料が気になってしまって
また見返す
そんな毎日の繰り返しで
.
「「「お疲れ様でしたー」」」
他の社員が帰る中も私はなかなか帰れず
「最近彼と会えてんの?」
一緒に資料を見ながら
サラッと宮近くんが聞いてきた
「…全然。連絡も」
宮近くんが呆れた顔をして
黙ってある所を指した
「あっ…」
いつしか飾った花が
下を向いて
寂しそうに枯れていた
そんな事も私は気づかないままだったんだ
「今日はこれ俺やっとくから。
彼のお店寄ってきなよ」
「でも…」
私の手から資料が奪われた
「俺は癒せないんだから…行きなよ笑」
「…ごめん、ありがとう!」
今日は宮近くんの言葉に甘えて
私は久しぶりに定時であがった
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作者名:いろは | 作成日時:2021年3月8日 23時