ミモザが咲く頃に (ページ24)

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「うわ～！」

赤やオレンジ、黄色の

ビタミンカラーの花が

一面春風に揺れていた

「この花って…？」

「これはねポピーって言うんだよ」

薄い花びらで茎が細くて

か弱そうに見えるけど

とっても丈夫な花なんだよ、と教えてくれた

「Aちゃんみたいな花だね」

「私？」

「ため息が出ても負けずに
一生懸命仕事に取り組む所とか」

「そんな…」

「芯の強い女性、俺は好きだよ？」

ん？好き？

「こっちこっち」

サラッと手を握られて

「え！」

ん？と振り返る姿に

握られた手の視線を送ると

「…ダメ？」

キョトンとして上目遣いをされている

「ダメ、じゃない…」

「よし、じゃあ行こう！
あっち色んな色があるんだよ～」

目の前にはしゃぐ龍也くん

握られた手も熱いけど

きっと私の頬の方が今は熱い

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