だれのせいでもないから�� ページ13
父side
とりあえず家に帰ろうと片手で海斗を抱っこし、もう片手で龍也と手を繋いで駐車場に向かう。
…いや、家帰る前に病院行こ。
2人を車の後ろに乗せて、龍也に袋を渡して少しの間海斗の様子を見てもらいつつ、急いで病院へ車を走らせる。
脱水が怖いから、信号待ちの間海斗に水を飲ませてみたんだけど…
海斗「んくっ…っぅえゲホッ…泣」
龍也「海斗っ、大丈夫だからねっ。」
飲み物すら受け付けないらしく全部吐いちゃう。
どんどん体力を消耗しているのか、さらに具合が悪くなってる感じがする。
龍也も急激に体調が悪くなる海斗の様子に動揺しながらも、必死で海斗の背中をさすっている。
なんとか病院に着くと、幸いすぐに診察してもらうことができた。
診断結果はノロウイルス。
…そりゃこんなに辛いわけだわ。
でも嘔吐だけで一応軽症らしいから、それは不幸中の幸いかもしれない。
脱水になりかけてるので点滴しますね、と看護師さんが点滴の準備をし始める。
するとそれまで俺の腕の中でぐったりしていた海斗が、やだっ、と小さく声を上げた。
海斗「あれこわいぃ…泣」
父「大丈夫だよ、点滴怖くないよ？」
龍也「うん、注射より痛くないよ。」
海斗「ほんとっ…？泣」
龍也「ほんとほんと！」
龍也の言葉に少し納得した様子の海斗。
点滴を刺されて泣きそうになったけど、徐々にウトウトとまどろみ始めた。
脱水症状はこれで少し良くなるかな…ちょっと安心。
海斗を抱いたまま、今度は俺の上着をぎゅっと握って下を向いている龍也に話しかける。
父「龍也、龍也のせいじゃないからこっち向いて？」
龍也「っ、でもっ…」
龍也は肩を震わせて、頑なにこっちを向かない。
龍也「おれ海斗がしんどそうなの全然気づかなかったし、ジェットコースター乗せちゃったからっ…泣」
父「お父さんもそうだよ。最初全然分かんなかったもん。だから龍也だけのせいじゃないの。」
でしょ？と声をかけると、やっと顔を上げてくれた。
…すごい勢いで顔拭いたけど、泣いてるのバレバレだよ？笑
龍也「海斗どんどん元気なくなってくから、こわかった…泣」
父「怖かったよね…でも龍也病院着くまで海斗のこと見ててくれて安心したよ、ありがとう。」
龍也「いーえっ…」
恥ずかしくなったのかまたそっぽを向いてしまった。
素直じゃないな、可愛いけど。笑
無事点滴も終わって、海斗も少し顔色よくなったかな。
さぁ、家に帰ろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くりおね(プロフ) - Rさん» いつも読んでくださるとのこと、ありがとうございます！リクエスト承知しました、書かせていただきますね(^_^) (2020年7月18日 23時) (
レス) id: c1565e4562 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - いつも拝見させていただいております。リクエストさせて頂きます。父.のえる 子.しめちゃんで、歳兄弟設定はくりおねさんにお任せしますので、しめちゃんが病院（検査）を嫌がってしまって受けてくれない系の話をお願いしたいです>_< (2020年7月18日 21時) (レス) id: a34ae83e7f (このIDを非表示/違反報告)
くりおね(プロフ) - まつこさん» お言葉嬉しいです、いつも読んでくださりありがとうございます！リクエストもありがとうございます、書かせていただきます(⌒▽⌒) (2020年7月18日 14時) (レス) id: c1565e4562 (このIDを非表示/違反報告)
まつこ - いつも楽しく読んでいます。リクエストいいですか？ちゃか(父)、松松(7歳双子)で2人ともまだ夜はおむつをはいていたけど、まつくが失敗しなくなってきて元太くんが落ち込んじゃう話をお願いします！ (2020年7月18日 9時) (レス) id: 8ebc5c178f (このIDを非表示/違反報告)
くりおね(プロフ) - ぺえさん» この作品を読んでくださりありがとうございます！リクエスト了解しました、書かせていただきますね( ´ ▽ ` ) (2020年7月17日 0時) (レス) id: c1565e4562 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くりおね | 作成日時：2020年7月6日 0時
