# ページ39
・
治療が終わり完全回復した後、私は首領室に呼び出されていた。
『Aです。失礼致します』
了承の返事を受け、重いドアノブに手をかける。
中には鴎外様、そして兄さん。
「よく来てくれたねA君。今日はシガナオヤの件について話がある」
とうとう、死刑宣告だろうか。
「まず第一に____君のシロが確定した」
予想していたものと真反対の宣告に驚きが隠せない。
『そう、ですか』
鴎外様は証拠は太宰君が全部ひっくり返してくれてねえ、
とケタケタと笑っている。
兄さんが?
兄さんに目をやるが、窓の外を眺めているためその表情は窺い知れない。
「君は我々からの謝罪を求めるかね?」
『必要ありません。そう言う世界です、此処は』
そう言ってうっすらと笑ってみせる。
「…全く、本当に14歳かね?」
『ええ、ただの14歳です』
訪れた沈黙。
「森さん、」
それを破ったのは兄さんだった。
「それじゃあ、私は失礼するよ」
そう言って鴎外様は部屋を出た。
その後しばらくして、兄さんが口を開いた。
「私はね、怖かったんだ。君を失うのが。」
口を開こうとして、やめた。
今は聞くべきだ。
「私は沢山の人を手にかけてきた。だから逆恨みで命を狙わられることは日常茶飯事だった。」
でも、その矛先が君に向かって欲しくなかった
兄さんは言う。
だから君を突き放した、と。
「でもこれは言い訳にしかならないね。君を傷つけたことは紛れもない事実だ。」
そして、
できれば兄としてやり直したい、と呟いた。
当たり前、だろう。
『今までのことが如何であろうと私は兄さんが大好きだ。でも、私はもう弱くない。守ってもらわなくて大丈夫。』
『…でも私の兄さんとして、側にいてほしい』
「…あたり、まえじゃないか。こんな私でも、君がまだ兄だと言ってくれるなら。」
大好きだよ
341人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽいんせちあ(プロフ) - みずきさん» 本当ですね!直します!教えてくださりありがとうございます!!頑張ります! (2022年3月26日 8時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 三十二話かな?それが異能力じゃなくて胃能力になっていますよ俺の見間違えじゃなければ。更新頑張ってください!!この先がめっちゃ気になります!!!応援しております!!!!! (2022年3月25日 14時) (レス) @page35 id: 7bdc08684d (このIDを非表示/違反報告)
シルクハット - 霰霰さん» ありがとうございます(^○^)明日しっかり更新する予定でございます!! (2022年3月12日 21時) (レス) @page33 id: bf40de2a1b (このIDを非表示/違反報告)
霰霰 - いつもコソコソ楽しみながら読んでいた霰霰です(*^^*)いつも更新楽しみにしています。この作品が大好きです💓💞なのでこれからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2022年3月9日 19時) (レス) id: c1e168e932 (このIDを非表示/違反報告)
シルクハット - ごりらちゃんさん» ゴフッ…ありがとう…ございますパタッ (2022年3月4日 16時) (レス) id: cdd97e4927 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽいんせちあ | 作成日時:2021年10月8日 20時