第三十一話 ページ33
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「…君はさ、自分の異能はどの程度強力なものだと理解してる?」
『この国を壊せる程度かと』
「違うね。君が本気を出せばこの星が吹っ飛ぶくらいだよ」
…そこまで強力なものではなかったはずだが。
Aは切長の瞳を細めて胡散臭げにシガを見つめる。
「俺はねぇ、色々あってこの世界を壊したいんだ。
でも当然一人でそんな事はできないよね?だから仲間を作ったんだ。
凄く大変大変だったよ、なんでか聞いて?」
親に自慢をする子供のような調子の声。
言っていることは物凄いことだが。
それに、この話の続きは促してはいけないような気がする。
…まぁ、ただの考えすぎだろう。
『…何でですか?』
「異能力を植え付けるのは大変だったからねぇ。
結局苦労して作ったその子にも逃げられちゃうしさぁ。」
『それは大変でしたね』
「そうだよ!!」
シガはそこで言葉を意味深に切った。
薄い唇が歪んだ弧を描く。
「…でもいいんだ。見つけたからね」
心臓がドクリと音を立てる。
何故だろう。
.....
私はこれを知っている。
「その子にはその時の記憶はないんだよ、なのに血の繋がっていない人間を兄だと思い込んでさ?いやぁ、愛情を求めてる姿を見るのは滑稽だったなぁ」
愛情なんてあるわけないのにさ、とシガは笑う。
…解ってしまった。
何故兄さんは私を見てくれないのか。
途端、全身が炙られているかのような感覚に陥った。
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ぽいんせちあ(プロフ) - みずきさん» 本当ですね!直します!教えてくださりありがとうございます!!頑張ります! (2022年3月26日 8時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - 三十二話かな?それが異能力じゃなくて胃能力になっていますよ俺の見間違えじゃなければ。更新頑張ってください!!この先がめっちゃ気になります!!!応援しております!!!!! (2022年3月25日 14時) (レス) @page35 id: 7bdc08684d (このIDを非表示/違反報告)
シルクハット - 霰霰さん» ありがとうございます(^○^)明日しっかり更新する予定でございます!! (2022年3月12日 21時) (レス) @page33 id: bf40de2a1b (このIDを非表示/違反報告)
霰霰 - いつもコソコソ楽しみながら読んでいた霰霰です(*^^*)いつも更新楽しみにしています。この作品が大好きです💓💞なのでこれからも頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2022年3月9日 19時) (レス) id: c1e168e932 (このIDを非表示/違反報告)
シルクハット - ごりらちゃんさん» ゴフッ…ありがとう…ございますパタッ (2022年3月4日 16時) (レス) id: cdd97e4927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽいんせちあ | 作成日時:2021年10月8日 20時