あなたに認めてもらえるためならば【文スト】

第二十九話 ページ31

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……！

寝起きから殺気を感じる。



なんとなくだが……これは芥川様だろう。



「ケホッ…死を惧よ、殺しを惧よ。
　死を望む者等しく死に__________望まるるが故に。
　
　無価値な人間に……息をする権利はない…。」



やはりな…まぁ気配で人を判断することぐらい朝飯前だ。




『….』




「して、貴様も起きているのだろう？しかと鏡花の覚悟を見届けよ。
　まさかとは思うが…同情でもしているのか？」




『まさか……私がこの世界に身を置いて何年だとお思いで？』




「それもそうだな…。
　鏡花、僕がお前に生きる意味を与えてやろう。着いてこい。」




牢獄のなかに黒い影が伸びる。




人虎に仕掛けるのだろう。貴女は幸運だよ、鏡花様。





きっと探偵社なら_________貴女を光の世界に導いてくれる。


たかが三十五人だろう？


私とは違う。


それに貴女はもう人を殺めたくないはずだ。














『よかったですね、鏡花様。』









きっと貴女がこの言葉の意味を理解できるのは、もう少し後のことなのだろう。



それでもきっとその濁った瞳に光が灯る日がくることを、私は信じていよう。

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