310話 ページ5
『くっそ…！次から次へと…！！！』
いっその事全部凍らせる勢いで能力を使えばいいのだが
水の中では負担が大きい上に
水ごと凍ってクルー達を凍傷にしてしまうため
手当り次第に手足で蹴散らして浮上する
ついでにゾロは噛まれたサメを殴り飛ばしていた
『ふぅ…やっぱりここは海だったか…』
ｳｿｯﾌﾟ「A！！！もうダメだ〜！！」
嘆くウソップの声を合図に、次々と銃が暴発する
何が起きたか分からなかったが
とにかくウソップからロビンを引き受ける
ボスの前に顔を表したのはうちの船の音楽家…
ｳｿｯﾌﾟ「ブルック〜！！」
ﾌﾞﾙｯｸ「黄泉の国より蘇り
麦わらの船長に…第二の命預けた白骨！！
人呼んでソウルキング！！」
もう仲間を失うのはコリゴリですよ！！
彼の鮮やかな剣術は相手を圧倒し
その隙に5人は湖から上がる事が出来た
『ナイスタイミング！ブルック！！』
ﾌﾞﾙｯｸ「ヨホホ！ご無事でよかった！」
ｿﾞﾛ「やってくれたな半人半獣共！！
こちとらサメ如きに食い千切られる程
やわな鍛え方はしてねぇんだ！！」
だがその姿はAが少し可哀想にも思える程
ガチガチと奥歯を鳴らして震えていた
ｿﾞﾛ「鍛えても寒さにゃ強くはなれねぇがな…！」
ﾙﾌｨ「凍る"！！凍り"ぞうだ！！」
ﾛﾋﾞﾝ「だけど見て…私達運がいい…」
口々に欲しい服装を挙げていくクルー達…
ｸﾙｰ「「暖かそうな服！！！」」
『もはや狂気を感じるな……』
ﾊｸ「A様、お怪我はございませんか」
『おう、大丈夫だ！放り出して悪かったな』
水に浸かる前に白虎を投げ出しておいてよかった
水の中は得意でない彼女は、申し訳なさげに眉を下げた
ﾊｸ「A様はよろしいのですか」
『あぁ、能力で何とかなるな』
暖か〜い！とご満悦なクルーを傍目に
彼女は近くで感じる気配に眉を顰めた…
ﾙﾌｨ「すげー音がした、サンジ達かな…」
『ナミが持ってるはずの玄武も心配だな…』
一味を乗せて走るボスの尻尾の上で思考を巡らす
攫われたのなら回収されたと考えた方がいい…
さてどこにあるか…この雪と風で気配を読み辛い…
ボスは仲間の情報に関して口を割る気はないらしい
とにかく今は合流が最優先だ…
ﾊｸ「A様、…大丈夫ですか」
『あ、あぁ…心配ないよ、もう戻っていい』
ﾊｸ「……」
心配されるような表情をしていたとは…
少し不満げな顔で姿を消したハクに
心の中で小さく詫びた
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
