341話 ページ36
『子供達の治療を手伝ったんだってな
アンタにとってはお節介に近いってのに』
ﾛｰ「全くだ…あいつらの気が知れねぇ」
『まぁ、そこが面白いトコさ』
口を開きかけたローの前に手を出し
それ以上は言うなと諭せば静かに頷く
きっとこいつだって分かってるんだ
船の上に見えるのはウソップとナミの姿
一段落…と、落ち着いた表情がよく分かる
ﾅﾐ「海軍に任せちゃった！
助けるなんて出しゃばっても自分が海賊じゃ
あの子達も親も迷惑だもんね…それに…」
"お願いします！！
子供達の事、私に預けて下さい！！"
ﾅﾐ「私、女海兵さんの眼差しに弱いんだ」
ｳｿｯﾌﾟ「そうか、そういやお前の母ちゃん
海兵だったな！Aだってそうだった！」
ﾅﾐ「助けて貰うなら強く優しい女海兵に限る！」
ﾛｰ「…話してねぇのか、ファミリーの話」
『バーカ、わざわざ蹴った案件掘り出すか
とうの昔に関わりを切ったはずだ…こっちはな』
ﾛｰ「ドフラミンゴはそう思ってねぇらしいが」
『答えは変わらねぇ、ローもだろ？』
ﾛｰ「当然」
背負った白虎を下ろして肩を回していると
鼻孔を掠めた空腹を刺激する香り…
サンジが料理を振舞っているみたいだ
大鍋から覗くスタミナ料理に
一味もモモの助も目を見張るのが微笑ましい
ﾙﾌｨ「お前腹減ってんだろモモ〜！
サンジのメシは最高だぞ！！」
ﾓﾓﾉｽｹ「…い、いらぬ！！
拙者腹など…すいておらぬ！！こんなもの！」
ｻﾝｼﾞ「おい待てその皿どうする気だ！！
ガキだろうと食い物を粗末にする奴を
おれァ許さねぇぞ！！！」
『サンジストップ！！』
モモの助の胸ぐらを掴みあげたサンジを
慌てて止めに入った時、隣からパンッと乾いた音…
ｷﾝｴﾓﾝ「頂きそうろう〜！！」
美味い美味いと料理をかき込む錦えもん
モモの助を安心させようと言葉を並べながら
幾度となく涙を流し続けては語る
ｷﾝｴﾓﾝ「この者達は信用してもよいのだ…！！
おぬし今日まで何も食わなんだか…よう耐えた！！
辛かったろう！！もう大丈夫でござる！！
奴らもきっと無事と信じよう！！…さァ
生きようぞ！！モモの助！！！」
モモの助は恐る恐るスープに手を伸ばし飲み込むと
ポロポロと涙を零し料理を口へ詰め込んでいく
"生きよう"…なんて、言われた事はあったろうか…
モモの助の涙を見ながらAは、
どうかこんな子供が苦しむ世界にならないように…
と、密かに願っていた…
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
