334話 ページ29
ﾅﾐ「ミルキーボール！！」
子供達を足止めし、モチャを逃がす事に専念するナミ
ロビンが子供達を捕らえてはチョッパーが鎮静剤を打ち込む
だがこんな地道な作業じゃどれほどの時間がかかる事か
「きゃ〜〜〜！！！」
ﾅﾐ「しまった！！モチャ！！」
先回りした子供達がモチャの腕から
キャンディを奪い取ろうと引っ張りあう
ﾓﾁｬ「ダメ〜〜〜！！！」
ガリッ！！その音にチョッパーは目を見開いた
ダメだと教えたはずだ…どれだけ危ないか…
ﾁｮｯﾊﾟｰ「ダメだぞ！！全部吐き出せ！！！」
「返せ！モチャー！！」
ﾁｮｯﾊﾟｰ「やめろォ〜〜〜！！！」
友達を守る選択をしたモチャ
人体の巨大化の為の実験体として連れてこられた子供達
大人になれると信じて疑わなかった
病気が治ると信じて頑張ってきた
それすら打ち砕かれた…その悲しみは計り知れない
"キャンディはくれたから食べたんじゃん！！
誰も死ぬなんて思ってない！！"
"ごめんな！！もっと早く見つけてあげられなくて…！！"
全くの他人であったはずの彼が
他人の為に涙を流す様が、酷く心を締め付けた
彼の船長はシーザーより強いのだと言っていた
必ずやっつけてくれると…
その為に…誰にもキャンディは食べさせない…！
皆でお家に帰るんだ…！！
ﾁｮｯﾊﾟｰ「モチャーーーー！！！！」
「どうしたんだ！？」
「モチャが血を吐いた！！」
階下で血を吐いて苦しむモチャを見たチョッパーは
とうとう堪えていた涙が溢れ出した
ﾁｮｯﾊﾟｰ「これがキャンディの正体だからだよ！！
モチャはお前達を助ける為にこの身を犠牲にして…」
ﾛﾋﾞﾝ「チョッパー！！子供達は完全に怯んでる！
全員鎮めるなら今しか…！」
モチャの治療を優先するというチョッパーに
助け舟が到着し、海兵を引き連れたサンジが
子供達を次々と抑えていった
ｻﾝｼﾞ「暴力はなしだぞ野郎共ー！！！」
「アニキィ！！金的は暴力に入りますか！？」
ｻﾝｼﾞ「ん〜〜！ギリギリアウトだ！！」
いつの間にか編成されていた医療班に
チョッパーを手伝うよう指示を出す
子供達への鎮静剤投与を任せ
チョッパーはモチャを検査室へ運ばせる
ﾓﾁｬ「チョッパーちゃん…わたし
キャンディ…渡さなかった…！」
苦しげなモチャの表情に再び涙が零れ
己の情けなさと絶対助けるという執念が
チョッパーの声を強くさせた
ﾁｮｯﾊﾟｰ「……必ず大人になるんだ！！！」
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
