328話 ページ23
SADをローが狙っている事を知り
彼の裏切りを確信したヴェルゴは
サンジとの戦闘から離脱し、電伝虫を繋ぐ
「フッフッフッ…だと思ったよ！！
おれァあいつを弟の様に思い！！
ずっと成長を見守ってきてやったってのに…
残念だ」
通信先は彼の船長とも言える人間
王下七武海の1人にして、ジョーカーの異名を持つ
ドンキホーテ・ドフラミンゴである
ﾄﾞﾌｨ「シーザーを誘拐か…いやぁおれならブチ殺す！！
なぜならシーザーは世界でただ1人
SADの製造方法を知る男だからだ
だがそんな事をされちゃあ
困るのはおれだよヴェルゴ…！」
彼の周りには仲間と思われる人間の声もある
ヴェルゴに対しドフラミンゴは許可を出した
ローをここで始末する許可を…
ﾄﾞﾌｨ「この世に生まれた事を後悔する程に…
無惨に殺してくれ！！」
ｳﾞｪﾙｺﾞ「承知した」
もう1つ…と続けたドフラミンゴの口から
彼女の名前が出ることはヴェルゴも読んでいた
ﾄﾞﾌｨ「…Aは何をしてる」
ｳﾞｪﾙｺﾞ「メイヴィスはローの所へ向かった
奴と共に耳でも削いでいこうか」
ﾄﾞﾌｨ「フッフッフッ！面白い冗談だ
あいつはそんな事で死にはしねぇ…
殺されても困るのは事実だが
麦わらとローと組まれても厄介な女だ」
ドフラミンゴの決断にヴェルゴは淡々と了解を返した
『……協力？』
ﾛｰ「そうだ、麦わら屋との同盟とは別に
あんたに協力を仰ぐために探していた」
『…船長に断りも無しにか』
ﾛｰ「断りがあったらあんたは動けないだろ？」
まさに図星であったAは言葉に詰まる
製造室に飛び込んだAは振り向いたローに
構えた白虎を喉元へ突きつけたまま尋ねた
"白か黒か…白ならルフィといた目的を
黒なら即座にこの首を刎ねる"と…
返答は白、そしてルフィとの同盟の話を聞いた
そしてちょうどよかったと言うように
ローは彼女へ協力の要請を持ちかけてきたのだ
何故彼女に頼む必要があるのか…
ふと考えて、渦巻いていた疑問を思い出した
『トラファルガー・ロー…
お前もしかして…＿＿＿＿＿＿＿＿＿』
ﾛｰ「！！……そうだ」
『なるほどな…だからアタシだった訳だ…！
ところでその先はどうするんだ？』
白虎を下ろし、口の端を釣り上げて
鋭い黄檗色がローの瞳を射抜いた
『戦争でも望むのか？』
ﾛｰ「そこまではさせない
あくまで決定打を打つのはおれだ」
その言葉に返答する前に
再び製造室の扉が開いた
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
