308話 ページ3
「A様、どうやらここが」
『あぁ…赤犬と青キジの…大喧嘩の舞台だ』
早速出てきてくれた白虎、元いハク
同じ高さにある薄ピンクの瞳に視線を合わせる
相変わらず表情が乏しく、考えが読みづらい
オーバーサイズのグレーニットを着て
ネイビーの膝丈フレアスカートに
ブラウンのムートンブーツを履いている
いつしか動きづらくはないかと聞いたことがあるが
彼女にとっては造作もないと言っていた
白より青白いに近い肌の色…
艶のある黒髪に蜂蜜色が混じるストレートロング
モルガナイトの様なピンクの瞳はとても可憐だ
幼い印象を与えるたれ目とは裏腹に
行動と言動はとても大人びていて才色兼備
何でも出来そうな彼女だが、
酷く面倒くさがりなのが玉に瑕だ
シュウの幾分かでも愛想があればな…
氷の土地ではどこも恐ろしい吹雪に見舞われる
温度差のせいで風が吹き荒れているようだ
一部は燃え、氷の浮いた湖なんて初めて見た
ｿﾞﾛ「意外と適温かもな
汗もかいたし…泳ぐか」
『アホ』
ﾙﾌｨ「おれとロビンは泳げねぇからなー」
ﾊｸ「私が泳いで渡りましょうか」
ｳｿｯﾌﾟ「大丈夫だ！どいてろ
必殺緑星！ボーディーバナナー！団扇草！！」
飛び出したのはボートとオール
ウソップの修行していた島はこういう植物の宝庫だったらしい
長々と語りに入ったウソップに行くぞと声をかける
ﾙﾌｨ「よーし出航だー！！」
ｳｿｯﾌﾟ「お前漕げよ！！」
『ハク大丈夫か？』
隣を見てみると疲れた顔のハク
熱湯のせいで暑さが来ているみたいだ
本人は問題ありませんと答えたので従う事にした
「待てぇ〜〜〜コノヤロォ〜〜！！！」
ボートに向かって岩が飛んでくる
ズバッ！！と真っ二つに斬れた後
沈んだ岩が波を立て、ボートを揺らした
ｿﾞﾛ「さっきのケンタウロスだ！！」
『サンキュ、ハク』
ﾊｸ「……」
ﾙﾌｨ「おーい！！やっぱりおれの仲間になりたくなったのか〜！？」
ｿﾞﾛ「また勧誘してんのかてめぇ！！」
ｳｿｯﾌﾟ「珍獣をことごとく仲間にしたがるクセやめろ！！！」
無言で目を細めたハクの表情は見なかった事にしよう…
呆れて物も言えないってこういう顔なのか…
彼らの叫んだ"ボス"という言葉に反応する
あの電伝虫から聞いた"ボス"か…？
こちらに危害を加えるのは筋違いだとウソップが叫ぶ
「刀を持ってる奴がいるぞ
あれが仲間を斬った侍か……」
ハクの眉間が一瞬しわ寄せたのを見逃さなかった
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
