331話 ページ26
モモの助と名乗ったその生物は
傍からはどう見ても龍の容姿に他ならない
物珍しさに好奇心が溢れ出すルフィは
龍のあちらこちらを観察し出した
だが遊び出したのもつかの間
ルフィの腹の虫につられるように
モモの助の腹の虫も同調して鳴り始めた
ﾙﾌｨ「お前も相当ハラ減ってんだな」
ﾓﾓﾉｽｹ「ばかを申せ…10日ばかりの断食で
武士がハラなど…空こうものか…はァ…はァ」
ﾙﾌｨ「10日！？」
ルフィにとっては10日断食は死活問題だ
通常の人間でもそうなるものであるが…
モモの助はルフィに何者だ…と尋ねれば
ルフィは務めて明るく海賊王になる男だと豪語する
だがモモの助からすれば
こんな小さく、どう見ても青年程の男が
海賊などと到底想像できなかったのであろう
ﾓﾓﾉｽｹ「そうか…おぬしもよそ者か…」
モモの助はここが病気の子供がいる施設としか知らないと言う
どんな島で、自分に何が起きたのかも…
ここにきたのは密航したことが始まりだと言う…
気が立っていたが故に子供達にきつく当たり
部屋を逃げ出した先で"人造悪魔の実"を口にしてしまった
それからどんどんと体が変形し、
気がつけば龍の姿になってしまったと…
ﾓﾓﾉｽｹ「つまり拙者人間でござる…」
ﾙﾌｨ「そうか悪魔の実か…！うなぎ人間かな
じゃあお前人間に戻ればいいじゃねぇか」
ﾓﾓﾉｽｹ「も…戻れるのか？どうやって？」
ﾙﾌｨ「さァ〜〜おれ動物系じゃねぇからなー」
ルフィは天井を見上げながら返す
脱出しようにも青天井の様にも思えてしまう程
ルフィが落ちてきた穴さえ見えない高さだ
モモの助もここから出たいのは同じだろうが
彼は恐ろしい真実を聞いてしまっていた
ﾓﾓﾉｽｹ「シーザーと言う男の話…！
あの男は医者かと思っていれば
実は童達を死なせる気でいる悪い男だった」
"この実験は薬投与の限界を知る実験
そう身は保つまい…
5年後にはもう全員この世にいねぇだろうなぁ！！
シュロロロロ！また次を貰わねば"
ﾙﾌｨ「…シーザー…よしモモ！！すぐここ登るぞ！！
壁を登る！！おれにしがみつけ！！
子供達の事なら大丈夫だ！！
おれの仲間がもう助けに行ってる！！
やるっつったらやる奴らだ！何も心配すんな！」
ホッとしたのか空腹の限界か
その場に倒れてしまうモモの助を揺さぶるルフィ
その顔はモモの助には酷く歪んで見えた
ﾓﾓﾉｽｹ「うわぁぁああ！！！」
ﾙﾌｨ「え〜〜〜！？空飛んでる〜！！」
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年7月10日 17時
