253話 ページ45
青海のニュースはここには届かない
だが一つだけ、大騒ぎになる事件があった…
『エースの公開処刑だと！？』
「ええ…海賊同士の争いで…ってA様！？」
飛ばされて1日、こうしちゃいられないと
走れる程度まで回復した彼女は飛び出すと
お待ち下さいと言う男の声が聞こえた…
振り返ったAは怪訝そうな顔を浮かべた
…明らかにこの島の人間じゃない
それどころか、纏う雰囲気が人じゃない…
そこに佇む青年は着物を身につけていた
黒地に水色の稲妻の様な模様の入った柄…
2メートルは超えるであろう身長に
短く整えられた艶のある黒髪
焼ける事を知らぬような真っ白な肌
ややつり上がった形の良い二重の眼は
彼の微笑みをより一層際立たせる造形美
見つめられる緑の瞳は透き通った秀麗さを持ち
目元のホクロは彼の色気を存分に引き出している…
そんな彼はAに対し
貴方が向かうのは得策ではありませんと告げた
『……誰だ』
「これは申し訳ございません己の名も申さず…
無礼をお許しくださいませ」
男の名に彼女はまた驚いた
そして男はもう一度、向かうのは反対だと告げる
「貴方は世界を覆す事が出来るほどの力を
その体に秘めておられる…
その力をもし海軍などに悪用されれば
貴方の意思とは関係なく、
貴方の船長と敵対することになります」
『……』
「少なくとも貴方は…狂戦士の力を無意識に
己でリミッターを外して使っています」
『…え、？』
ウイスキーピークでの100人切りの時も
ジャヤでケンカを売られた時も
スリラーバークでの対戦の時も…
そう言えば…あまり記憶に残っていない
気づいた時には自分が倒している…そんな感覚
「それが、貴方が鬼神と呼ばれる所以です」
『……なるほどな、よく分かった
エースの事も、考えれば理解出来る
どの道ルフィは行くだろうし、委ねるしかない』
「ご理解頂けたようで何よりです」
『だが…シャボンディに向かうことまで反対とは
一体どういうワケあってだ』
憤怒を垣間見せる彼女に青年は平然と答えた
「貴方が強さに値しないからです」
『！！！』
負傷中とは言え、黄猿やくまに届かなかった悔恨
第三者に言われる腹立たしさ
何より仲間も助けられない己の情けなさ…
抑えていた感情が一気に爆発し
携えていた玄武を青年目掛けて投げ放った
感情が揺れ、コントロールがままならず
音速に近いスピードで放たれたそれは
青年の首筋を捉える…はずだった
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白銀幸成(プロフ) - ありがとうございます！コメントとても嬉しいです！当初予定していた話数よりだいぶかかってますが…頑張るのでよろしくお願いいたします！ (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d7991ec165 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - この作品設定も細かくて内容も凄くて一気に見ちゃいました！！これからも見ます！！頑張ってください！ (2020年6月11日 2時) (レス) id: 7ad2e8f6ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年6月10日 22時
