252話 ページ44
"大丈夫かな"
"きっと生きておる"
"早く目を覚まさないかな"
…誰かの声が聞こえる…でも、仲間じゃない…
こんなに近いところで…誰だろう…
光を感じて瞼を上げれば、目の前には子供の顔…
『うわっ！？』
「あ！起きた！大丈夫ですか？」
『………？』
辺りを見渡せばどうやら家の中のようだ
小さな子供は親と思わしき人物を連れて戻ってくる
「大丈夫でしたか？海岸に倒れておられて…」
『…！そうだ！！』
シャボンディでくまの奴に飛ばされて…！！
一言お礼を言って飛び出すと、己の目を疑った…
…どこだここ……見たことも無い景色…
天候…文化……そして何より海が白い…
「どうされたんですか！？
傷が酷いから安静にしていないと…！」
『ここはどこだ！？アタシの刀は！？』
掴みかかる勢いで女に質問すると
驚いたように目を丸くした彼女は
帰ってこられたのでは！？と質問で返した
『は？何を……』
「申し訳ございません！！
てっきりアンブラ様がご帰還になったのかと…！」
その呼び名に聞き覚えがあった
つまりここは…空島…なのか…？
「ここは空島の白海…クラウドエンドの真反対…
アンブラ様のお生まれになった
"アルカディア"の姉妹都市でございます」
『アルカディア…』
懐かしい…と言うより忘れていた…
自分の生まれの土地も忘れてしまうとはな
まぁ生まれて5年だ…無理もないかもしれないが
だが困ったことになったな…
ここからシャボンディに戻るには距離がある
物理的に考えて…3日は無理だ
『なぁ！アタシ仲間との約束で
3日以内に青海へ帰らないといけないんだ！！』
「そんなぁ！もう少しゆっくりしていっても…」
不貞腐れた子供にゴメンなと謝り足を進めると
往来する人々皆、彼女に頭を下げる
見た目はさして変化はない
来た時のままにシャツとジーンズなのだ
目も隠れてるし…一体何故…
「貴方様が持っていらっしゃった刀ですよ」
『刀？だってあれは……！』
そこまで口にして、はたと首を傾げた
いつからこの刀を持ってるんだっけ…？
買ったっけ？それとも貰った…？
そもそも剣術を誰に習った…？
後ろから追いかけてきた女性が手にしていたのは
紛れもない自分の刀…一式だった
『何で……船に置いてきたはず…』
「アンブラ様何を仰っているんです？」
おかしな人、と笑う彼女に困惑ばかりのA…
彼女が飛ばされた先は
空島の白海
"秘境の島"…エデニア
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白銀幸成(プロフ) - ありがとうございます！コメントとても嬉しいです！当初予定していた話数よりだいぶかかってますが…頑張るのでよろしくお願いいたします！ (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d7991ec165 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - この作品設定も細かくて内容も凄くて一気に見ちゃいました！！これからも見ます！！頑張ってください！ (2020年6月11日 2時) (レス) id: 7ad2e8f6ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年6月10日 22時
