231話 ページ23
2人が目を覚ましたのは、撃破より3日後…
ルンバー海賊団の墓を立ててもらったブルックが
彼らにバイオリンの音を聞かせていると
隣にザクッと刺された刀…
ﾌﾞﾙｯｸ「ああ…びっくりした…
あなた、もうよろしいんで？」
ｿﾞﾛ「ああ、ちょっと寝すぎた…」
ﾌﾞﾙｯｸ「それは…？」
ｿﾞﾛ「死んだ刀だ"雪走"
ついでに供養させてくれ」
静かに手を合わせたゾロに
一味に入れてもらったと告げるブルック
ｿﾞﾛ「へぇそうか…そりゃ運が悪かったな
この一味は手ぇやくぞ？」
ﾌﾞﾙｯｸ「ヨホホ！その様で！死ぬ気で頑張ります！」
2人が立ち上がり、船へ向かう途中
ゾロはブルックに先に行っててくれと伝え
船から少し外れた森へ足を進めた
ｿﾞﾛ「……で？お前はこんなとこで何してんだ？」
『……同僚の弔い』
ゾロに背を向ける彼女の表情は分からないが
正座したまま長い時間合掌している
ゾロはその背中を見続けていたが
彼女がポツリと独り言のように呟いた
『アタシさ…カリルを2回も殺したんだ…』
ｿﾞﾛ「そうか」
『大切な人だったんだ…理解者だったんだ…
それなのに…守れなかったんだ…』
彼女の無茶苦茶な自己犠牲精神は
きっとここから来ているのだろうと思った
彼女の肩が震えているから、泣いているのは分かっているが
ゾロは無遠慮に近づくと、彼女の頭を掻き乱した
『ちょ…！何すんだよ！！』
思わず顔を上げた彼女の前髪をかきあげると
左右で色の違う瞳が自分を映す
この眼を見てきた人間達は皆、
これを気持ち悪いと評してきたのか…？
ゾロには美学など微塵も分からないが
この眼を気持ち悪いと揶揄することは
酷く勿体ないように感じた
ｿﾞﾛ「へぇ…ずいぶん綺麗な色してんだな
さぞグロテスクな傷があるのかと見てみりゃあ…
直視される方が気の毒な眼だな」
『な…！！この…！クソマリモが！！
たかだか19のクソガキがゴラァ！！！』
ｿﾞﾛ「誰がマリモじゃコラァ！！！」
この眼で直視されれば逃げられない
深い深い…宝石のような青…
いつかナミが言っていた、海の色ってのも
的を得た言葉だな、悪くねぇ
彼女には絶対に言ってやらないが
クルー達全員、彼女の眼を美しいと思うほどには
彼女の存在も運命も、認めているし理解している
その瞳から流れる涙は、本当に宝石が零れる様で
吸い込まれる様な錯覚すら引き起こす妖艶さ
ゾロは慌てて掴んでいた前髪を離した…
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白銀幸成(プロフ) - ありがとうございます！コメントとても嬉しいです！当初予定していた話数よりだいぶかかってますが…頑張るのでよろしくお願いいたします！ (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d7991ec165 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - この作品設定も細かくて内容も凄くて一気に見ちゃいました！！これからも見ます！！頑張ってください！ (2020年6月11日 2時) (レス) id: 7ad2e8f6ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年6月10日 22時
