きみとなら。【Travis Japan病系短編集】

5-4. ページ30

七五三掛side


七五三掛｢一番奥、開けてくれなかった｣



ーーコンコンッ

宮近｢松倉？｣

俺の一言で何かを察したちゃかちゃんは優しい声でまつくを呼んだ。

宮近｢松倉大丈夫？｣

問いかけには返事がなくて、代わりにまつくの荒い息が静かに響く。

宮近｢しめ、ごめん、水買ってきてくれない…？俺の財布からでいいから｣

七五三掛｢え、うん、わかった｣

たしかに、口ゆすぐものないね。

鍵開けさすのはちゃかちゃんに任せよう。

言われた通り足早に自販機へと向かった。

.

宮近side


……やっぱ具合悪かったんじゃん。

しめに呼ばれてトイレに駆けつけると、個室にこもって吐いてるらしい松倉。

宮近｢松倉、寒いよここ、開けて鍵、お願い｣

しめが水を買いに行ってくれたタイミングで、ちょっと急かしてみた。

ーーッ

少しの沈黙の後、トイレを流す音と同時に、ゆっくり鍵が開く。

宮近｢ありがと｣

なんだかんだ、お願いされると断れない松倉。優しいからね。

ゆっくり扉を開くと、しゃがみ込んでハアハア言ってる松倉がいた。

宮近｢大丈夫？結構吐いたの？｣

背中をさすると、じんわり熱かった。

七五三掛｢水、あ、あいた？｣

宮近｢あ、しめありがとう｣

ちょうどしめが水を持って駆けつけてくれる。

七五三掛｢まつく、大丈夫……？気持ち悪いのは？まだ吐きそう？｣

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