きみとなら。【Travis Japan病系短編集】

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宮近side


松田｢あっちー！タオルタオル｣

控え室に戻って休憩に入る。

トイレに行った松倉のことが気になって待っていたけど、しばらくしても帰ってこなかった。

宮近｢松倉見てない？｣

中村｢え、見てない。さっきトイレ行くって言ってなかった？まだ帰ってきてないの？｣

宮近｢たぶん｣

……海人って、こんな感じだけどほんと意外と周りのこと見てんだよな。

廊下に出て、見渡したけどいない。

中村｢さっき、自動販売機のところにいなかった？｣

宮近｢そうだね｣

またそっちにいるのか？

トイレを通り越して自販機の方に向かって歩く。

その曲がり角に、ベンチがある場所があって、一応そこまで覗きに行ってみる。

中村｢クラ？｣

宮近｢松倉？｣

そこにはベンチに座って壁にもたれ掛かる松倉がいた。

宮近｢ちょっと、なにやってんの、大丈夫？？｣

もたれかかった松倉は顔も赤いし、汗はかきっぱなしだし、眉間に皺を寄せながら目をつぶっていた。

反射的に駆け寄って肩をたたくと、びっくりしたみたいに目を開く、


松倉｢あ……｣

宮近｢あ、じゃねえよ、顔真っ赤だけど、っ｣

中村｢クラ熱あるんじゃない、｣

松倉｢え、あ、大丈夫大丈夫っ、｣

宮近｢大丈夫じゃないじゃんその顔で何言ってんの？どう考えても熱ある顔してるし。ほかに体調悪いとこないの？｣

松倉｢……ダルいだけ｣

中村｢ねえ、熱すぎ、絶対高いよこれ｣

申し訳なさそうに答える松倉の言葉を遮るように、海人がおでこに手を当てて言う。

宮近｢救護室行こう｣

松倉｢ごめん、行ってくる…｣

そう言って立ち上がった松倉は想像以上にフラフラで咄嗟に脇から腕を入れる。

宮近｢ちょ、フラフラじゃん、っ｣

松倉｢ごめん…｣

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