君に会いたい

（22）運命 ページ25

マスクをしていてもわかる



あの時と同じぱっちりとした目にホクロがある





ほくちゃん……いや吉野さんだ。




北人「ごめんね。気になって着いてきちゃった」



樹「……今の聞いてたのか…」



北人「うん、ほぼ」



吉野さんは申し訳なさそうに笑いながら言った。




北人「最近壱馬が元気ないと思ったら……。女の子が原因だったんだね。しかも……」





吉野さんは私の方を見る







北人「しかも、吉野さんだったなんて」





A(え……)




私の事……覚えてくれてる…。



やっぱり吉野北人は、吉野さんだったんだ





樹「え、、北人も知ってたのか……」



北人「まあね」





どうしよう…




吉野さんの方を見れない。






ずっと私が会いたかった人……。かれんの好きな人。





A「私はもう、帰ります」




私はこの場から逃げようとする







北人「待ってよ」





私は吉野さんに腕を掴まれる




北人「吉野さん…俺に会いたかったんでしょ？」



A「え……そんな……別に」




北人「だってほら」




吉野さんは私のリュックを指さした




A「あ…」





北人「ホクブー。俺のキャラクター」





ホクブーは、ライブの時からずっとリュックに付けている





いつか吉野さんに、会えないかなって思ってた自分もいた。




……だけど……







北人「でも今日は帰ったほうが良さそうだね。ごめんね引き止めちゃって……」




そう言いながら吉野さんはポッケから紙を出し、なにかメモをして私に渡した。






北人「これ、俺のID。連絡するつもりなくても、帰ったかどうかだけは伝えてよ。心配だから。」







私は無言で受け取って、樹さんと吉野さんはその場から去っていった








まるで……嵐のように

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