玲於くん ページ13
玲於side
れおくん、まってえ。というチビの声が聞こえるたび、
めんどくせーな。と思いながらも走るスピードを緩める。
振り返ると、泥まみれの顔でにこにこ笑う〇〇がいた。
俺たちはいつも一緒だった。
本当の兄妹みたいね。と言われると、
俺は恥ずかしかったけど、チビは嬉しそうだった。
目の異変に一番最初に気づいたのも俺。
チビの書く絵は、ほかの人が書く絵と明らかに違っていたから、
なんの気なしに、変なの。と言った。
チビは思ったより気にして、母親に相談し、
病院に行って、色覚異常だと分かった。
チビの親は、チビをあまり外に出さなくなり、
チビはあまり、笑わなくなった。
そんなチビを見ていられなくて、俺も遊ばなくなった。
でもある日。
流星群が、とても良く見えるらしいというニュースを聞いて、
いても立ってもいられなくなった。
夜の12時をまわった頃、家を抜け出して、チビを迎えに行った。
嬉しそうに、笑うチビをみて
今ならなんだってできる。と思った。
青々としげる芝生に寝転ぶと、
幾千もの星の合間を
縫うように走る流れ星が見えた。
この世のものとは思えない美しさが、目の前に広がる中、
隣に寝転ぶチビの顔を横目で見ると、
その大きな瞳の中に、いくつもの星が瞬いて
チビの目は、きっと、魔法の目なんだ。と思った。
俺達が見ることの出来ない景色を見られるのが
素直に、うらやましかった。
そのすぐあとに俺の引越しが決まって、
見送りに来たチビがめちゃくちゃ泣くから、
俺は泣けなくなった。
〇〇)…れおくんがっ、いないとっ、やだよ…
こみ上げてくるものを必死にこらえた。
玲於)だいじょぶだ。おれが、ぜったいにチビを迎えに行くから。だから…
それまでまってろ。やくそくだ。
〇〇)ぜったいだよ…？
玲於)ぜったいだ。
そのまま、俺たちは離れ離れになった。
そして、今日。
俺は、約束を、果たしに来た。
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☆ - 名前変換機能つけた方がいいですよ (2019年2月23日 16時) (
レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 名無し77245号さん» ありがとうございます！付き合ってからも色々あるので楽しみにしていて下さると嬉しいです！読んでくださってありがとうございます！ (2018年5月31日 9時) (レス) id: 0aebb5dbd7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77245号(プロフ) - 続きが楽しみです (2018年5月31日 5時) (レス) id: 1ff6d28c02 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 蛍さん» もともと〇〇です。申し訳ありません。引き続き楽しんでいただけると嬉しいです。 (2018年5月25日 21時) (レス) id: 0aebb5dbd7 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 名前が変換できないです (2018年5月25日 21時) (レス) id: 18174bb86e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ | 作成日時：2018年5月17日 14時
