60.大抵俺は頭が働く...sideN ページ31
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スマホの天気アプリを見て、もうそろそろしたら雨が降り出すこと。
そのことを頭に入れて家に急いで帰る。
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和也「ただいま……」
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ちょろいよね。正直。
Aを前にして、あんなに強がってたのに俺の前ではこんなに弱くてさ。
……騙しがいがあるんだよ
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あいつのデミグラスソースが1番好きだってのに、こいつはなんでハンバーグ作り続けんのよ。
こっちはあいつのハンバーグ忘れてないっての。
無理矢理別れさせてさ、とんだ迷惑女だよね。
だから騙すんだよ。
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数ヶ月前まで、ゲーム機が散乱してたはずの部屋はコイツが片付けちまって、
アイツが居たことなんてないことにされてるような気もする。
……でも、コイツは知らないだろうね。
唯一、あいつの存在を仄めかすもの。
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和也「んじゃ、ちょっとタバコ買ってくるわ」
葵「え？ちょ、ハンバーグ！」
和也「あ、一緒に行く？」
葵「…！行く！」
和也「くふふ、おいで」
葵「んふふ」
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手のひら返しが恐ろしいよね。
どんだけ俺のこと好きなのよ。
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当たり前のようにその傘を取ると、やっぱり不信感があるのか首を傾げてる。
……別に、キュンって来るものなんてないけどね。
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葵「この傘、妙に可愛くない？カズくんに合わないよ、」
和也「合わないは酷いでしょ」
葵「てっきりビニール傘かと…… 」
和也「おいおい」
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……やっぱり食いついた。
ニヤケが止まんないよニノちゃん。
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和也「この傘はねー…どうしても失くせないよね」
葵「……なんで？」
和也「…ふふ、秘密。」
葵「…」
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心の中、高笑い。
楽しいわ。
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そんな気分アゲアゲな状態もすぐに冷めた。
…理由？……そんなの目の前の景色見たら簡単でしょ。
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「私、タマゴサンド」
智「あ、ずるい。俺もタマゴサンドにしようとした。」
「早い者勝ちですからね。」
智「なぁんだそれ！」
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一風変わってみたら、美男美女カップル。
……なに、なんなの。
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和也「葵」
葵「……」
和也「帰るよ」
葵「うん……」
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思い焦がれ。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年5月10日 20時
