51.青いキミ、赤いワタシ...sideY ページ22
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鈴香「……」
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智『……え？今から？……ですか？』
鈴香『そうよ、話したいことがあって。』
智『そんないきなり……、予定変えられませんよ』
鈴香『……いいの？私に逆らって。』
智『……っ』
鈴香『あの子を、潰すわよ。こっちはあの子の弱みを握ってんだから』
智『……分かりました。ただ少し遅れます。いつもの場所で。』
鈴香『ええ』
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ニヤリと口角を上げれば、途端に訪れる快感。
……ああ、心地よい。
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葵『あなた、だれ。カズくんになにしたの』
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はー、恐ろしい女ですこと。
私に比べちゃそこまでなんだろうけど、まあ、肩並べられるくらいよね。
あっちはあっちで気づかないんだから、本当に笑える。
……あの女の幸せくらい、すぐに奪える。簡単すぎる。
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智「……待たせました」
鈴香「待ってないわ」
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いつもの場所。
いつもの格好。
青いキミと赤いワタシ。まるで正反対。
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智「……で、お話ってなんですか」
鈴香「簡単よ、……Aちゃんを完全に恋に落としてほしいの。」
智「……あの子は落ちな」
鈴香「落としてほしいの」
智「ーーー…」
鈴香「落としたら、あなたを自由の身にするわ。」
智「……その言葉、信じてますからね」
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ギリ…と睨む目は、初めて会ったときから変わらない。
……確か、高校のときだっけ？
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……懐かしいね。
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鈴香「大野くん」
智「なんですか？先輩？」
鈴香「いいえ、なんでもないわ」
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頼りにするのは、なんでだろうね。
嘘をつくのが上手な男の子、だからかな。
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鈴香「それにしても、大野くん上手い嘘つくわよね」
智「……まあ、それくらいしか取り柄ないですしね」
鈴香「見事に、欺けてるわ。」
智「こっちの気分としてはあんまりいいものじゃないっすけど」
鈴香「…………あなた……」
智「なんです？」
鈴香「……いえ、なんでもないわ。言ったらあなたに否定される」
智「一層気になってくるじゃないですか」
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ひどいことじゃない。
寧ろ私からしたら、嬉しいこと。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年5月10日 20時
