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真夜中の病院
この時間に病院にいるのは基本医療関係者
なのだが…
「夜間の見舞い許可取っているんだから大丈夫だろう?」
『そんなの公に存在しないでしょう!!』
小声で私とこのやり取りをする彼は警察庁の職権を使って
いとも簡単にこの普通ではありえない権利を強奪したのだ
「昼間はベルモットに監視されているし
今日はあの人も任務で俺を見ている暇はないからな…」
『あ…ここよ…』
1632号室、ここが貴光君の部屋だ
『ヒカル君…入るね…』
貴光「…!!
ゼロの…兄ちゃん…!?」
「久しぶりだな…」
零が入ると目を見開いた彼に対して
零もまた驚きの表情を表していた
『え…二人知り合いなの?』
「ああ…兄の景光は俺の幼馴染だ…」
「生きてたんだね…」
その言葉を浮かべた顔は安堵というよりむしろ曇った表情をしていた
「…悪かった」
「ゼロの兄ちゃんが悪いんじゃない…
あの組織が…悪いんだ…」
「ああ…だから一緒に景光の仇を打とう」
お世辞にも良い雰囲気と言えなかったが
言葉数の少ない二人は心が通じ合っているのがわかった
仲間外れにされて寂しい気持ちもあったが
男同士にしか分かり合えないこともあるのだろう
『みんなで貴光君を守るから…頑張ろうね』
「先生に守られるほど俺柔じゃねーよ」
柔なんて思ってない
私は知ってる
夜中に赤井さんが見舞いに来た時
一緒に屋上で稽古しているのを
その姿を見たとき彼は立派な大人の男性なのだと
「俺が先生を守る…」
真面目な表情でときめく言葉を言われれば
それはもうドキッとするわけで
「おい貴光…」
そんな彼をジト目で見る大人気ない零
「ゼロの兄ちゃん怖えよ
先生がベタ惚れなの知ってるから」
『貴光くん!!』
彼はとても不思議だ
年相応の幼さを見せる時もあれば
大人びた様子を見せる時もある
そんな彼の魅力で皆の協力を得ることが出来たのだろうか
「その話は掘り返したいが…時間がない
“退院”についての話をするぞ…」
彼について探りたい気持ちはことの全てが終わった後に取っておこうと決めて
私達は作戦会議へと移った
ーーーヒカル君、退院まであと12日
***
掛け持ちしたので↓も良ければ読んでください(^^)
降谷さんの高校時代のお話です!
「恋愛歌は終わらない」
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/TF0413R2/
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作者名:ひよこ | 作成日時:2018年8月27日 11時