【名探偵コナン】最愛２【降谷零】 (ページ25)

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『…風見さん！』

黒の組織のメンバーが全員捕まった後、零は報告書、始末書に追われており数週の間警視庁にこもりっぱなしだった

『あの…これ零にわたしてもらえますか？』

私は公安部の人に差し入れも兼ねて零の着替えやらを持ってきた

「Aさん…助けてください！！」

『へっ！？』

目の前に積み重なる書類が全く減らずため息が出る

何日寝てないだろうか

もはや考えるのをやめた

なかなか売っていない降谷の印鑑のインクが途中で切れて大変だったのは昨日のこと

公安部のおかげでまたこの印鑑押し作業がはかどる羽目になった

書類のチェックを進めていたらデスクの前に誰かの気配を感じた

「書類ならそこに…」

幻覚か？

あまりにも非現実的な光景に目をこすった

『すごいクマ…』

「なんでここに…」

『家で一人も寂しいもの…

ねぇ…少し休もう？』

「いや…この仕事が…」

『あなたが休まないから、みんな休めないよ？』

Aの言葉に周囲を見渡すと部下のクマもすごかった

そっと俺の前に差し出したその手を断る理由がなくなった

仮眠室へ連行されるとすぐに俺をベッドへ転がした

手はちゃんとつないだまま

『…家でちゃんと甘えさせてあげるから今は寝なさい』

ゆるく笑った彼女が何時にもまして美しかった

長い間潜入していた捜査が終わった緩みもあったと思う

「A…」

『んー？』

「…結婚しよ」

朧げな思考の中で自然にこぼれた言葉だった

全然ロマンチックじゃなかったのに

徹夜でボロボロで汗臭いのに

『…はい！』

みるみるうちに泣き顔に変わっていく彼女に

こんなカッコ悪い俺を認めてくれている気がして

彼女を1年越しに探して正解だったと昔の俺を夢の中でほめたたえた