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XXXXXXVI ページ19

「さぁ…吐いてもらおうか…


ネズミの居場所を…」


銀髪の男が再び拳銃を向けた


『私はただ退院の立会いをした医療関係者


ヒカル君とはそれだけの関係よ』


「ふん…この状況でそれが言えるか…


いいだろう


60秒やる…


その間に情報を提供すれば解放してやる…」


「『!』」


「ジン…彼女は僕が調べましたが白ですよ


それでもそれをしますか!?」


立ち上がった零は銀髪の男に向かって叫んだ


「どうだか…


疑わしきは罰する…


おいウォッカ…カウントしろ…」


「はい…60…」


「彼女が何か情報を持っているとして


本当に言えば解放するんですか…?」


「意外と俺は優しいからな…」


タバコを加えたまま口角が上がった


「…そうか」


ジンと呼ばれた男はそう呟くとタバコを床に落とし


靴でタバコを踏み潰した


「バーボン…









お前がこの女を殺れ」


「!!


僕はただの探り屋ですよ?」


「じゃあ探れよ…」


有無を言わさない威圧感を出すジンが零に迫った


そのまま拳銃を押し付ける


「40…」


拳銃を握った彼は震える手で私に向けた


私が見上げる形で私たちは対面した


彼は初めて会った時のような弱々しい表情で


どこか頼りなかった


最初に口を開いたのは私だった





『初めて会った時のこと覚えてる?


私運命だと思ったの


多分一目惚れだったんだね』


「A…」


「30…」


目を閉じると走馬灯のように


彼との思い出が蘇って来る


『私あなたとの日々…何一つ忘れてないよ


喧嘩もしたけど…今ではそれもいい思い出だね』


「A!!!」


私の名前を叫ぶ彼は溢れた涙を止められないようだった


『なんて顔してるの…?


素敵なあなたが台無しじゃない…』


「僕は…君を殺したくない…!


何でもいいから教えてくれ…!!!」


『あなたに殺されるなら


悪くないかもね』


それを聞いた彼は目を見開いた


「な…にを…」


「10…」


『あなただったら騙されてもいいかな


それくらい好きだった


ううん、愛していたわ』


本当は離れたくないって言いたかった


でも残されていく彼にそれは酷だったから


努めて穏やかに一つ一つの言葉を紡いだ


「5…」


『ありがとう』


一筋の涙が頬を伝った


「ゼロだ





やれバーボン」





『さよなら……』


零…







ーーーバァン!!

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作者名:ひよこ | 作成日時:2018年8月27日 11時

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