【名探偵コナン】最愛２【降谷零】 (ページ13)

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『あら…ヒカル君のご両親ですか』

ヒカル君のご両親と名乗る二人はスタイル抜群の美男美女だった

「ええ～ヒカル君こんなステキな先生に構ってもらえてたのね～！
私達が中々行けなかったけど寂しくなかったかしら…」

いつももの静かなヒカル君の母とは思えないくらい明るくお茶目な女性と

「まぁ秀子さん…諸星さんも付いていたんだし明日退院できるんだから大丈夫だろう…」

帽子を深くかぶって表情のわかりにくい
もの静かな男性

私が言っていない情報を知っているあたり
見舞い届けの名字やら見る限り嘘ではなさそうだ

『こちらヒカル君の病室です』

「あ…母さん…」

「ヒカル～！！！元気そうね～！！」

入った勢いのまま母はヒカル君に抱きつき
ヒカル君は少し苦しそうだった

『では…ごゆっくり』

家族水入らずの時間を邪魔するまいとすぐに病室を出ると
一人の男性がこちらの様子を見ていることに気づいた

『魚塚さん…今日退院ですね！』

「ええ…しかしVIPルームに子供が入院しているなんて…

一体どんな身分なんですかい？」

『普通のステキな人ですよ』

今まで入院服を着ていたため
真っ黒なスーツにサングラスをかけた魚塚さんの
変貌ぶりに言葉を失いかけたが
なんとかポーカーフェイスで通した

ヒカル君を見られていないだろうか

そのことが不安でそれ以上この場にいることが出来なかった

しばらくして

ヒカル君のご両親は帰る直前に会いに来てくれて

「それじゃあAちゃん、また明日退院までよろしくね」

いつの間にか私は下の名前で呼ばれるようになった

「では先生お世話になりました」

俯きながら静かに淡々と言っていたが柔らかに笑う彼を見て
父親が息子を見て安心したのだと思ったのと同時に
明日彼とお別れなのかということを実感したのだった

ーーーヒカル君、退院まであと1日