XXXXXVIII ページ11
*降谷side
「柴田Aについて…今どこまで情報を仕入れたの？」
今日は情報屋の仕事としてAの情報を
ベルモットに流すため車の中で密談している
「彼女は普通の家庭で育った普通の臨床心理士のようでFBIとの繋がりは見られませんでした
また唯川光との繋がりも見られません」
唯川光
これは組織にいる時の景光の偽名だった
今貴光はこの名前を使って生きている
「じゃああの子はなぜ唯川を知らないと言ったの？
それに彼女が私について電話した相手は誰？」
ため息を吐きながらジロリと俺を見る
「医療者だから守秘義務…とでも思ったのでしょう
病院の電話ですので流石に僕でも調べようがありません」
「へぇ…随分彼女と仲良くなったみたいじゃない」
「僕が匿っているとでも？」
「いいえ、任務の時に怖い顔をするあなたが
優しい表情をするもんだから…
あなたまさか本気で…」
「ご冗談を…」
彼女を組織の目から遠ざけたい
その一心で彼女に不利益のない情報を流したつもりだったが
この女は一筋縄ではいかない
表情が変わるのならそれを一瞬で見破ってしまう
敵に回したくない女だ
「じゃあ私から情報を一つ…
唯川光の退院日は６日後…」
「！？
どうやってその情報を…」
「彼女、まだ白衣の盗聴器に気づいてないみたいね
まあ一般人なら気づかないのが普通よね
彼の担当医と話しているのを盗聴して知ったのよ」
“唯川光さん、⚪日の夜退院ですけど先生その日休みですよね？
私が立会いしてもよろしいですか？”
「昼間だと目立つから夜にしたようね…
どうやってFBIは連れ出すのかしら…
まあいいわ…今回はスペシャルな企画を用意してるから」
「スペシャルな…企画ですか」
「ええ…柴田Aの
心をえぐるような…ね」
ーーーヒカル君、退院まであと6日
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作者名：ひよこ | 作成日時：2018年8月27日 11時
