ありそうでない話｡

〜AnotherStory1〜 ページ46

『徹也くん､今日は帰ってこれそう？』






「うん､たぶんね





向こうさんが変なことしなきゃ帰ってこれそう！



てゆーか、Aと琴世に会いたいからめっちゃ頑張ってくる」






『ふふ…応援してるね』









「ありがとう！




いってきま…あっ､」






『え？



…あ、』







私らの部屋の前には､徹也くんの元カノ､千咲さんが立っていた｡







「やっと､徹也見つけた…





ヨリ戻そ？私には､徹也しかいないの…





なんで､なんで10歳も歳下の女にうつつ抜かしてるの？！





なんで､なんで私じゃないの？！





私の方が大人で､魅力もあるでしょ？！




なんで､なんでその子なの？





私の方がっ…先だったのに…」







「千咲､」








『…わた､私､身を引きますね…』






「は､なんで？！A､なんで？！」






『だって…私って､千咲さんから徹也くんを奪ったようなものじゃん？





…それって､最低じゃん？






り､離婚届もらってく…「Aっ､」…っん…



徹也く､千咲さんいるから！！』






「Aは､自分で決めすぎ｡




俺の気持ちも考えて。





俺は､この先なにがあってもAから離れる気はないから｡






…だから千咲､浮気みたいなことしたのは悪いと思ってる｡





でも､もう俺に関わらないで欲しい｡





俺はもう､お前のいない人生を送ってるから､お前も俺のいない人生を送って？




いい相手だったら､Aが知ってるし」









『え､や､知らないよ？』









「消防署の人たちは？」








『…ち､千咲さん美人だし､すぐにいい男見つかりますよね？』






「…いい人だなって思っても…無職とか､ニートとかのヒモ男なの…」





『じゃ､じゃあ､消防士だったら経済面は安心ですか？




私､消防士なので筋肉よし､顔よし､収入よし､性格よしの方とか紹介できると思いますけど…




か､彼氏奪った人からなんて紹介されたくないですよね…』









「大丈夫…



我慢できるから､いい人紹介してください…｡」









『んへへ､いいですよ






今日はお休みですか？』






「うん」






『麹町署に行きましょ





私ちょっと用事あるので…その時に紹介します』






「ありがとう｡」








「おお､無事解決？




じゃ､俺仕事行ってくるわ！」








『いってらっしゃい』

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