STAY WITH ME 2 (ページ10)

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悪い女ページ10

お客様を送り出して、携帯を見る。

までが、ひとつのルーティンになっている。いつでも予約が入る可能性はあるけど、バイブにもしておけないから。

入っていたのは、予約ではなかった。

３０分前、と添えられた名前に、心臓がばくんと派手な音をたてた。

『加藤成亮』

すぐに折り返すと、２コールで繋がった。

「もしもし」

『もしもし』

繰り返した声はだいぶ沈んでいる。後ろではビートのきいた音楽が流れている。バーか何かにいるのかもしれない。

「電話くれたよね。今どこ？」

『あー・・・』

言い淀んだ彼の向こうで誰かの声がした。

『ちょっと貸して！もしもし、Aちゃん？』

「えーと、その声は小山さん？」

『そうそう！今シゲと飲んでるんだけど・・・え？何？・・・いいじゃん、だって・・・』

シゲアキが何か言っている。『やめろ』とかなんとか、聞こえたような気がするけど。

『ねえ、今から時間ある？シゲのこと迎えにきてくんないかなぁ。珍しくすごい酔っ払ってんだよね～』

『酔ってねーわ！』

状況がよくわからないけど、「行く」と返事をしていた。

「・・・わかった、そこなら２０分くらいで行くと思うから・・・うん、待ってて。じゃあ、あとで」

わめいているシゲアキにかまわず、小山さんが電話を切った。