STAY WITH ME 2 (ページ6)

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美しい男ページ6

「俺も一緒に行こうか？」

「いいよ、そこまでガキじゃない」

「そう？まあ、今日は予定なんもないし、なんかあったら連絡して」

「おう」

デスクの合間を小山がスキップしかねない勢いで席へ戻っていく。

俺は真っ黒に塗りつぶされた画面へと、視線を戻した。

*

やることはいっぱいあるんだ。ガムシャラに仕事をして、９時を見計らってエマのアパートへと到着した。

すーはー。

やべ、緊張してるわ。

手の中の携帯を握りしめる。

Aの写真くらい撮っておけばよかった。決心は別に揺らぎはしないけど、なんとなく、彼女をそばに感じていたい。

仕方ない、次会ったときは撮らせてもらうかな。カメラ持ってどっか行くか。

もう一度深呼吸をして、呼び鈴の音符マークを押し込んだ。

『あ、シゲくん、いらっしゃい。今開けるね』

目の前の透明な扉がするすると開いていく。

思わず、ごくりと唾を飲み込んだ。

階段を上がり再びピンポンを押すと、カジュアルめなワンピースにエプロンをつけたエマが、ドアの隙間から顔を出した。

ナチュラルに見えるバッチリメイク。彼女はどんなに寝乱れた朝でも、俺の前ですっぴんを晒したことは一度もなかった。

「おかえり、シゲくん」

ただいま、と言いそうになってしまった。

うっかり『あ』の形で開いた口を一旦閉じて、「おう」と曖昧にごまかす。

「上がって。ちょうど今、できるとこ」