STAY WITH ME 2 (ページ34)

今日:13 hit、昨日:8 hit、合計:4,404 hit

悪い女ページ34

「なぁ新しい彼氏さん？この子、もぅほんッッッまにツレないからな？！ワイン飲みたいー言うてチーズも買うてったら、これ日本酒のが合う！買ってこいー言うて家おん出されんねんから！」

「善処します」

「もう！」

繋いだ手を引っ張ってもシゲアキはびくともしなくて、美しい顔をくしゃくしゃにして笑ってる。

いつのまにかエマも泣き止んでいて、泣き腫らした目が痛々しいけど、隆平に向かって深く頭を下げた。

「本当に・・・申し訳ありませんでした・・・」

湿った声に隆平がアワアワと体を揺らしてる。

「ええよ、もう！気にせんとこ！な！！アナタも辛かったんやろ」

俯いたままのエマの背中をぽんぽんと優しく撫でる隆平。こんなとこでも人たらしなんだから。

「残念ながらオレらには勝てそうにもないわ。せいぜい、喧嘩して別れてしまえーって縁切り神社にお参りにでも行こか」

顔を上げたエマはまだ目の縁に涙をいっぱい溜めていたけど、隆平のことばに少し笑った。

「大丈夫、アナタ素敵やもん。絶対こんなヤツよりええ男見つかるって」

「返す言葉もない」

ポツリと呟くシゲアキがおかしくて、私もつられて笑ってしまった。

「ほんなら帰るな。あ、よかったらタクシー乗ってく？」

隆平がエマをエスコートするように手を伸ばした。エマはパチパチとまばたきをしながら、促されるまま歩き出す。

「じゃあ・・・元気で」

ことばを選んでくれた隆平は、やっぱり底抜けに優しい男だ。