STAY WITH ME 2 (ページ33)

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悪い女ページ33

「きちんとあなたたちと別れなかったこと。納得してもらえる・・・かわからないけど、でもちゃんとあなたたちが飲み込むまでは話をするべきだったの」

「浮気したことやないんや」

ゆっくりと顔を上げる。

まっすぐに見つめた隆平は能面のように表情がなくて、その目の奥は氷のように昏く冷たい。

「シゲアキを好きになったことを、謝るつもりはないわ」

はっきりと口に出したら、右からこくりと唾を飲み込む音が聞こえた。

すぐに右手が丸っこい指に包まれる。彼の思いが流れ込むように、熱をもったそれが私にエネルギーを分け与えてくれる。

心臓が思い出したようにトクトクと鳴り出す。シゲアキといると、生きてるって感じるの。生きていて、いいんだって。

「こんなことに巻き込んでごめんなさい、隆平。その償いだったらいくらでもする。でも、私が隆平の隣に戻ることは、もうない」

「ほんならここで死ぬ言うてもか」

「ええ」

迷わずうなずいたら、彼の垂れ目がびっくりしたように見開かれて、そして諦めたようにクスクス笑い出した。

「せやんなぁ。Aはそんなウジウジした男がいっちゃん嫌いやもんな」

「死なないでは、ほしいけど」

「わがまま言うやん」

「私がわがままなの、よく知ってるでしょ」

「せやなぁ。そんなとこ、好きやってんけどなぁ」

ひょいと隆平が私の後ろを覗き込んだ。