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悪い女 ページ4
「私、本当に人に恵まれてる。いいひとばっかりなの。私が一番、ずるくて汚い人間」
「そんなことないだろ」
のろのろとワンピースをかぶってベッドにもう一度寝そべると、腰掛けたシゲアキがゆっくりと頭を撫でてくれる。
「ネイルサロンの予約だって毎日ずっと入ってんじゃん。それはAの腕がいいからだろ。生活だってきちんとしてるし、まぁ俺たちがこうなったのは・・・なんていうか・・・仕方ないと言いますか」
肝心なところで言い淀む彼におかしくなっちゃってクスクス笑ってたら、頭をぐしゃぐしゃにされた。
「いいじゃん。どんなAだって、俺は好きだけど」
うわぁ、と目を見開いて見せる。
「好きとか言っちゃうタイプなんだー！へー、意外〜！絶対言わなそうなのに」
「なんだよ！さらっと流せよ、そこはさぁ！」
頭を撫でる彼の腕をきゅっと摘んで引っ張った。
「流さないよ。もっと言って」
ばたりと隣へ倒れ込んでくる。濡れたままの髪が頬に当たった。
「好きだよ。自分でもおかしいと思うけど」
「私も」
「それは『好き』の方？それとも『おかしい』の方？」
イタズラに微笑むシゲアキの瞳。長いまつ毛に縁取られたそのまなじりに、無意識で指を這わす。
「両方。おかしいくらい、シゲアキが好き」
「ん・・・」
近づいて来る唇に、そっと目を閉じた。
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年8月2日 20時
