STAY WITH ME 2 (ページ28)

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美しい男ページ28

痛いくらい、手を握りしめている。Aは誇張も贔屓目もなく、美人だ。学生時代に男を手玉に取るとか・・・まぁなくはないかもしれないな。ないことを願うけど。

「学生時代のことを言ってるの？私はあのとき誰とも付き合ってない。勝手に告白してきて、断ったら人のことビッチみたいに言いふらして。悪いけど、あなたの彼氏だった奴らには迷惑しかかけられてないわ」

おー、言うねぇ。ちらりと振り返ったらAと目が合って、怒りの炎は一瞬だけしゅんと小さくなった。

「・・・やっぱり、あのとき一緒になんて行かなければよかった・・・そしたらシゲくんは、まだあたしの隣にいたはずなのに・・・！」

そうかもしれない。でも、そうじゃなかったかもしれない。

Aと出会ってなかったら、俺はエマと一緒にいられたんだろうか。

・・・押し切られて、それこそ結婚とかしてたかもしんねーな。今となっては、ちゃんとエマを好きだったのかどうかも思い出せないっていうのに。

ほんっっっと最低だな、俺。

「シゲくん、この女、ほんとに最悪だから。やめなよ、ねぇ・・・」

エマがふらふらと近づいてくる。足取りがおぼつかない。酔ってるのか？

青い顔でよろけるエマに、それでもAは俺の後ろから飛び出して支えようと手を伸ばした。