STAY WITH ME 2 (ページ22)

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美しい男ページ22

手越がにっこりと笑い、空の皿やらジョッキやらを畳に下ろして、空いたスペースにＡ３の紙を広げた。右側に、住所氏名を書き入れていく。

「ねねね、まっすーも書いて！」

渡されたペンで、まっすーもその隣へと名前を書き入れる。増田貴久って言うんだ。ふーん。

「なんかさー、これ、オレらも結婚するみたいじゃない？」

「は？」

まっすーへと寄り添う手越が婚姻届の右側を愛おしそうに撫でる。

「いいなぁ、Aちゃんは運命のひとと結婚できてさ。オレらなんか絶対無理だもんねー」

手越がにぃっと歯を見せて笑う。その笑顔は単純無垢なようでいて、だけどその裏側にはいろいろと押し隠しているものもあるんだろう。

「無理無理。おまえと結婚とか、絶対無理だから」

「えええ～、なんでよー！冷たいなぁ。オレら運命の相手でしょ！」

ムッと眉間にシワを寄せた手越をちらりと見たまっすーは、そこは否定をしなかった。

「ふたりとも、ありがとね」

Aが手越の手から紙を抜き取った。

「これでひとりじゃなくなったね」

騒いでいた手越が、ふわりと優しげな声で呟く。

「ふふ、まっすーと手越くんがいたから、ひとりだなんて思ったことないけど」

「そっかそっかー！やっぱオレらがいないと始まんないよね！ね、まっすー、ね！」

「もぉ、手越うるせー！！」

紙をしまったAが、畳についていた手に、そっと重ねてきた。