STAY WITH ME 2 (ページ17)

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悪い女ページ17

加藤成亮という人間は、とにかくせっかちな生き物だ。それも新たに判明した事実。

「これ、書いといたから」

久しぶりにお外でデートをして、たまにはシゲアキの家に行ってみたいなーとか言ったらちょっと渋られて。

何かと思ったら、部屋の中がまあ散らかってること。散らかってるっていうか・・・物が多くてにぎやかなお部屋。

積み上げられている雑誌を端に押しやり、腰を下ろしたベッドの上でほいっと渡された封筒。

・・・ほう。

ぴらり、とそのＡ３の薄ーい紙を広げてみれば、やたらカクカクした力強い筆跡で『加藤成亮』と記名押印されている。

「２人くらい名前書いてもらわなきゃなんないみたいよ。あっ、そうだ、小山さんに書いといてもらえばよかったなー。それ、そっちの方で２人なんとかなる？あ、例の社長令息とその彼氏でもいーわ」

あっけらかんと言うこの男は。

「泊まってくんだろ。風呂入ってくれば。いっとくけど、ウチの風呂もベッドもAんとこみたいに広くないかんな」

さっきからやたらと早口で喋りまくっているのは、もしかして、緊張してたりする？自意識過剰かしら。

「ほら、早くしろって。俺も入りたいから」

婚姻届をまた丁寧に畳んで封筒に戻し、しっかりバッグにしま・・・おうとしたんだけど。

「今書いちゃえばいーじゃん。名前書いてくれるひといなかったら、役所の人でも書いてくれるらしいぜ」

抜かりは、ないらしい。