STAY WITH ME 2 (ページ12)

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悪い女ページ12

ぎゅう、と彼の頭を抱え込むようにして抱きしめていた。

「ありがとう」

「うん」

あったかい、シゲアキの温もり。やっぱり、私はこのひとを手放したくはない。

汗の匂いにアルコールが混じる。シゲアキの香りはどうしようもなく下半身を疼かせる。

「帰ろう」

「ん・・・」

かなり酔ってるのか、立ち上がらせてもフラフラしている。

「オレもついてこうか？」

眉を下げて心配そうに覗き込んでくる小山さんへと、笑顔を向けた。

「ありがと。でも大丈夫。このひと、もらってくね」

２人分の会計を済ませ(小山さんにものすごく止められたけど押し戻した)ぼーっとしたままのシゲアキを連れて店の外へと出る。

ベタつくような夜は生暖かく、何かあまり現実感がない。

待たせておいたタクシーへと重たい体を詰め込み、ずっとあわあわしている小山さんへと手を振って、さっき飛び出したばかりの家へと戻った。

シゲアキは向こうの窓へと頭を預けて寝てしまったようだ。

投げ出された彼の利き手へと自分の手のひらを重ねたら、反射かピクッと震えた。

押さえ込むように握りしめる。

シゲアキの丸い指先。厚めでちょっと子どもみたいな手。

ねぇ、どうしてそんなになるまで飲んだの？

・・・何を、誰を想って飲んでいたの？

チクチクと胸が痛む。